2008年、シングルチャージャーの1.4TSI+7速DSGを搭載するゴルフ TSIトレンドラインが投入された。いわゆる「ダウンサイズコンセプト」で、「車格は排気量に依存する」というこれまでのヒエラルキーを捨て去ったものだった。Motor Magazine誌は、TSIトレンドライン、TSIコンフォートライン、GT TSIの3台を連れ出し、ゴルフの新しい世界に迫っている。ここではその試乗の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

象徴として存在と普通にラインアップされるTSI

現行型モデルの発表は2003年。すなわち、最新のゴルフも気がつけば、間もなくデビュー以来丸5年というタイミングが迫っていることになる。

ライフサイクルも終盤と目される、そんなタイミングで実施された現行モデルのリファインの内容には、だからこそ逆に驚きを禁じえなかった。なぜなら、そのリファインとは「パワーパックを大幅に進化させる」という、自動車のハードウエアの根幹部分に手を加える事柄であったからだ。

すでに熟成の段階にある5代目ゴルフ。その各モデルが用いる最新のパワーパックは、どんな狙いを持って開発されたものなのか。そのユニットを搭載したモデルは、どのような走りの実力を披露してくれるのか。これらを検証することは、「次期型ゴルフ」の在り方を占うことにもつながるはずだ。ここで日本市場のゴルフ、その最新ラインアップを改めて確認しておこう。

最新ゴルフシリーズは、まず気筒数で2タイプ、排気量で3タイプという基本構成となる。このうち、6気筒エンジンとシリーズ唯一の4WDシャシを組み合わせるのが、ゴルフ全体のイメージリーダーとしての役割も受け持つ「R32」。V6で3.2Lというエンジン排気量や、6.2秒という0→100km/h加速タイム。さらには400万円をはるかに超えるといったデータ類からも明らかなように、ゴルフの一員ではあるものの、あくまでも「特別な存在」としての位置づけが強調されているのが、このモデルである。

This article is a sponsored article by
''.