2008年、ポルシェ911カレラに続いて、カレラ4がマイナーチェンジされた。ポイントはPDKデュアルクラッチ式ギアボックスの採用と水平対向エンジンの直噴化に加え、PTM電子制御式フルタイム4WDシステムを搭載したこと。マイナーチェンジとは思えないほどの大幅な進化が注目を集めた。そして、ドイツ・ベルリンで行われた国際試乗会では、クローズドコースで限界テストも試すことができた。今回はその国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年10月号より)

基本的に911カレラのフェイスリフトに準じる変更

フェイズ2とでも呼ぶべき大きな進化を遂げたカレラシリーズが発表されたばかりだというのに、ポルシェは911ファンに向けて、早くも次の話題を届けてくれた。今度のニュースは、カレラ4シリーズのビッグチェンジである。

もっとも、その内容は基本的にカレラのそれに準じる。最大の注目点はデュアルクラッチ式ギアボックスのPDK=ポルシェドッペルクップルング、そして直噴化された新設計水平対向6気筒エンジンの採用である。また、同時に外観もリファイン。冷却性能向上のための開口部の拡大とあわせて、LEDライトの採用などによって、911らしさの中に今っぽさを盛り込んだ新鮮な表情をつくり出している。

外観については、ワイドフェンダーを採用するカレラ4シリーズだけの変更点として、左右のテールランプ間を繋ぐ赤色のガーニッシュが追加されたことが挙げられる。ワイド感を強調するデザインで、さらなる差別化を行おうというわけだ。

さらにカレラ4に関しては、もうひとつ大きなトピックがある。それがPTM=ポルシェトラクョンマネージメントと呼ばれる電子制御式フルタイム4WDシステムの採用。そう、これまでは911でターボにのみ用いられていたメカニズムが、いよいよ搭載されたのである。

今回、その評価のために用意されていたステージは、ベルリン近郊の旧軍施設らしき飛行場の跡地を活用したテストコース。試乗は、ホテルを出てそこへ至る百数十kmの道のりからスタートした。

画像: DFIエンジンの特徴は、構成コンポーネント数を約40%削減してエンジン高を抑制し組み立ての簡素化を実現、さらに装着位置が下がり重心が低くなったことにある。

DFIエンジンの特徴は、構成コンポーネント数を約40%削減してエンジン高を抑制し組み立ての簡素化を実現、さらに装着位置が下がり重心が低くなったことにある。

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