2006年に登場した6代目パサートヴァリアントと2008年に発表された4代目A4アバントは、フォルクスワーゲンとアウディの微妙な関係が見えるモデルだった。世代によって、パワートレーンを共有したり、独自路線を歩んだりと変化していた。Motor Magazine誌では特集「フォルクスワーゲンとアウディ」の中で、6代目パサートヴァリアントと4代目A4アバントの試乗をとおして、2008年当時の「フォルクスワーゲンとアウディ」の関係・志向を考察している。今回はその興味深いレポートを振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年11月号より)

ブランドの哲学が見える両車のクルマづくり

確かにパサートヴァリアントには、単なる実用的なステーションワゴンに留まらないゴージャスさが盛り込まれているし、A4アバントには見た目の流麗さに加え、最大で1430Lにも達する広大なラゲッジスペースが用意される。

けれども、そうした特徴を持つ両者のクルマづくりの根底には、やはり「誰からも愛される実用車づくり」に端を発したフォルクスワーゲンと、メルセデスやBMWという両雄が築き上げたプレミアムレンジというカテゴリーに果敢にも挑戦を仕掛け、それをある領域で確かにキャッチアップしたアウディというブランドに宿る基本的なフィロソフィというものが流れていることが感じられるのだ。「似て非なるもの」、そんなフレーズは、まさにこの2つのブランドにこそ相応しい一節なのだろう。(文:河村康彦/写真:永元秀和)

画像: 左がフォルクスワーゲン パサートヴァリアント 2.0TSI スポーツライン、右がアウディ A4アバント 1.8TFSI。ともにFFながら、パサートヴァリアントはエンジン横置き搭載、A4アバントはエンジン横置き搭載となる。

左がフォルクスワーゲン パサートヴァリアント 2.0TSI スポーツライン、右がアウディ A4アバント 1.8TFSI。ともにFFながら、パサートヴァリアントはエンジン横置き搭載、A4アバントはエンジン横置き搭載となる。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 2.0TSI スポーツライン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4785×1820×1515mm
●ホイールベース:2710mm
●車両重量:1520kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:147kW(200ps)/5100-6000rpm
●最大トルク:280Nm/1700-5000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●10・15モード燃費:10.6km/L
●タイヤサイズ:235/45R17
●車両価格(税込):426万円(2008年当時)

アウディ A4アバント 1.8TFSI 主要諸元

●全長×全幅×全高:4705×1825×1465mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1798cc
●最高出力:118kW(160ps)/4500-6200rpm
●最大トルク:250Nm/1500-4500rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・65L
●10・15モード燃費:13.4km/L
●タイヤサイズ:225/55R16
●車両価格(税込):437万円(2008年当時)

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