1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、7代目ゴルフのバリエーションについて語ろう。(タイトル写真はフルEVのe-ゴルフ)

スポーティモデルだけでなく、エコも重要視された

画像: プラグインハイブリッド車のGTEは、通常モデルともGTIとも異なる独自デザインのバンパーが特徴的だった。

プラグインハイブリッド車のGTEは、通常モデルともGTIとも異なる独自デザインのバンパーが特徴的だった。

最高峰グレードのゴルフRも進化しており、エンジンはひとあし先に先代から採用していたGTIと同じように、新世代のEA888型となった。最高出力はプラス24psの280ps、最大トルクはプラス50Nmの380Nmを発生。燃費面も当然ながら配慮されており、Rとして初めてブルーモーションテクノロジーを採用し、アイドリングストップとブレーキ回生システムが備わった。

スポーティの追求とともに、エコもますます重要になってきていた。ゴルフ7では、電動化モデルもカタログモデルとして加わった。もちろんディーゼルも健在で、GTDなども引き続き設定されたが、このゴルフ7の時代(2015年)に、いわゆるディーゼルゲート事件が発生している。これによって当のフォルクスワーゲンはもとより、ヨーロッパのメーカーは電動化の方向へと大きく舵を切ることになってゆく。

ゴルフ7の電動モデルは、フルEVが「e-ゴルフ(タイトル写真)」、プラグインハイブリッドがGTEである。どちらも専用設計ではなくエンジン車のゴルフをベースにしているのが特徴で、GTEではラゲッジスペースが狭くなったり、とくにe-ゴルフの場合、価格が高めということはあったが、基本的に元のゴルフの良さ、つまり走りや品質、使い勝手の良さなどが、そのまま受け継がれているのが特徴である。GTEの場合、ネーミングにも表れているとおりGTIの電動版的な性格ともなっており、パワーユニットは1.4L TSIエンジンが150ps、モーターが109psで、システムとしての最大出力は204psと350Nm。約200kg重いとはいえ、GTIに迫るパワーを有していた。

画像: ゴルフ スポーツバンは、ハッチバックより80mmほど全長が長い。ゴルフの車高の低さが目立っていたり、SUV全勢時代のためもあるのか、それほど車高の高さを感じさせない。

ゴルフ スポーツバンは、ハッチバックより80mmほど全長が長い。ゴルフの車高の低さが目立っていたり、SUV全勢時代のためもあるのか、それほど車高の高さを感じさせない。

このほか、新しいモデルとして、「ゴルフ スポーツバン(SV)」が加わっている。これは従来のゴルフ プラスの後継に相当するが、ゴルフ プラスが車高だけを高めていたのに対して全長も長くしており、より室内空間が増えると同時に、スタイリングもスマートになった。

スポーツバンは日本に導入されていないが、ゴルフ トゥーランはフルモデルチェンジした2代目モデルが引き続き販売されている。ただし、本国ではゴルフの名はつかないのは従来どおり。トゥーランもスポーツバンも、MQBのプラットフォームを採用している。(文:武田 隆)

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