スポーティモデルだけでなく、エコも重要視された
最高峰グレードのゴルフRも進化しており、エンジンはひとあし先に先代から採用していたGTIと同じように、新世代のEA888型となった。最高出力はプラス24psの280ps、最大トルクはプラス50Nmの380Nmを発生。燃費面も当然ながら配慮されており、Rとして初めてブルーモーションテクノロジーを採用し、アイドリングストップとブレーキ回生システムが備わった。
スポーティの追求とともに、エコもますます重要になってきていた。ゴルフ7では、電動化モデルもカタログモデルとして加わった。もちろんディーゼルも健在で、GTDなども引き続き設定されたが、このゴルフ7の時代(2015年)に、いわゆるディーゼルゲート事件が発生している。これによって当のフォルクスワーゲンはもとより、ヨーロッパのメーカーは電動化の方向へと大きく舵を切ることになってゆく。
ゴルフ7の電動モデルは、フルEVが「e-ゴルフ(タイトル写真)」、プラグインハイブリッドがGTEである。どちらも専用設計ではなくエンジン車のゴルフをベースにしているのが特徴で、GTEではラゲッジスペースが狭くなったり、とくにe-ゴルフの場合、価格が高めということはあったが、基本的に元のゴルフの良さ、つまり走りや品質、使い勝手の良さなどが、そのまま受け継がれているのが特徴である。GTEの場合、ネーミングにも表れているとおりGTIの電動版的な性格ともなっており、パワーユニットは1.4L TSIエンジンが150ps、モーターが109psで、システムとしての最大出力は204psと350Nm。約200kg重いとはいえ、GTIに迫るパワーを有していた。
このほか、新しいモデルとして、「ゴルフ スポーツバン(SV)」が加わっている。これは従来のゴルフ プラスの後継に相当するが、ゴルフ プラスが車高だけを高めていたのに対して全長も長くしており、より室内空間が増えると同時に、スタイリングもスマートになった。
スポーツバンは日本に導入されていないが、ゴルフ トゥーランはフルモデルチェンジした2代目モデルが引き続き販売されている。ただし、本国ではゴルフの名はつかないのは従来どおり。トゥーランもスポーツバンも、MQBのプラットフォームを採用している。(文:武田 隆)