「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、レクサス LFA(プロトタイプ)だ。

レクサス LFA(2010年:プロトタイプ)

画像: 全長は4.5mあまりだが全幅は1.9m近い。全高も1.2mほどに抑えられたワイド&ローなプロポーション。

全長は4.5mあまりだが全幅は1.9m近い。全高も1.2mほどに抑えられたワイド&ローなプロポーション。

「日本から世界に誇れるスーパースポーツを」と2000年から開発が始まったレクサス LFA。まだ開発は続行中だが、ほぼ市販車といえるテスト車に乗る機会を得た。

アルミ骨格で作るよりも約100kg軽いというCFRP65%、アルミ合金35%で1480kgという軽量ボディ。4.8LのV10エンジンに、アイシン製の6速ASGの組み合わせ。レッドゾーンの9000rpmまでわずか0.6秒で到達し、0→100km/h加速は3.7秒、最高速は325km/hを誇る。

まずコクピットに腰を降ろし、シートポジションを調整する。パドルシフトを両引きすると、Nに入る。だがコクピットまわりのスイッチ類はけっこう煩雑で、とても一度では使いこなせそうにない。オートモードで走ろうかと思ったが、このクルマの本質を少しでも味わうために、MTモードと、その先のスポーツモードの切り替え方をレクチャーされて走り出す。

テストコースを走り出すと、オートモードは街中をゆっくり流すときにしか使えないのが分かった。すぐにMTモードに切り替えてみると、やはりサーキットでは断然走りやすかった。

ステアフィールは、いわゆるスーパーカーと呼ばれる他のクルマたちに比べると、明らかに軽い。重さでごまかしていないから、必要以上に重くすることはないという判断らしいが、これはけっこう快適。だがLFAは、ラクなスーパーカーではなかった。

コーナーへの侵入で少しブレーキを残しすぎたり、舵角が大きすぎたりすると、テールスライド方向のヨーが残ってしまう。もちろんすぐ収まるので、驚くほど簡単に態勢を立て直すことはできるのだが、普段乗っている、どこまで攻めても自分の範疇に収まるようなクルマとはワケが違うため、どうしてもおっかなビックリな操作になってしまう。

VDIM(統合車両姿勢安定制御システム)が入っているから大丈夫とは言われたものの、そもそもサーキットを走るのに電子デバイスを入れっぱなしというのもあまり聞かない。ところがLFAの場合、VDIMありきで開発を行っているという。うねりにも対応するように縦方向のパラメーターを入れているのが特徴らしいが、おせっかい過ぎない的確なフォローと精度の高さに改めて驚いた。

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