アウディのEVラインアップ「eトロン」として、クーペスタイルSUV「スポーツバック」に加え、よりSUVらしいルーフラインを持ったSUVモデル「eトロン 50 クワトロ」が加わった。出力は抑えられたが、軽量化されたことで価格と性能がいいバランスになっている。(Motor Magazine2021年5月号より)

ちょうどいいバランス感覚を備えたSUVタイプの電動モデル

そこをしっかり検証&理解した上で登場したのが、スポーツバックよりもSUVらしい形のアウディeトロン 50 クワトロなんだと思う。なんと言ってもひと足先に登場したクーペタイプよりも、荷物を積んで遠くに行くはずのSUVの方が航続距離は短いのだから。ちなみにスポーツバックには、バッテリー抑えめタイプが加えられたくらいである。

そのバッテリー容量は「55」の95kWh対し、「50」は71kWh。航続距離は405kmに対し、316kmとなる。前述した長距離移動が多い私の旅のしおりでさえクリアするくらいの距離だから、いわゆる一般的な使い方ならば十分だろう。

しかもeトロンは、回生能力が高いのである。たとえば100km/hからの制動では、最大300Nm、220kWの電力を回生することができる。これはたとえば、私たちがよく走る箱根の山道をグングン上ったとしても、下りで約7割回生できてしまうということになり、上手に走れば航続距離をかなり伸ばせるということに繋がってくる。

ちなみにシステム最高出力は、「55」の300kWh/664Nmに対し、「50」は230kWh/540Nmとなるので、パワーダウン?と思われるかもしれないが、車両重量が2560kgに対し2400kgと160kgも軽量化されているので、実は0→100km/h加速6.8秒という実力派。

実際に乗り比べてみて、大げさな軽快感まで感じるほどではないが、重さはまったくと言っていいほど感じることはなかった。それよりもスポーツバックとSUVという、ボディスタイルの違いでずいぶん乗り味の違いが感じられたことに少々驚いた次第である。

最近はSUVもバリエーションが増え、いわゆるオーソドックスなスタイルの他に、ややクーペ風ルックのスポーティバージョンというものが登場しているが、今回はそれらに比べても印象の違いが大きかった。簡単に言うと、ある種四角い箱を操っているように感じられたスポーツバックに対し、自然な感じでロールを許容するコンサバティブなSUVに仕上げられていたのである。

しかしこのフィーリングは決して嫌なものではなく、SUVらしい世界観を感じさせてくれつつも、バッテリーが低い位置に搭載されている分、重心が低いこともあり、きちんとスポーティなテイストにまとめられていた。このちょうどいいバランス感覚はお見事で、こちらの方がより好ましく思えたほど。さらに、933万円(ベースグレード)〜という1000万円を切ったプライスタグ。先を考えると、ある意味これが一番好ましいニュースに違いない。(文:竹岡 圭/写真:永元秀和)

画像: インテリアはeトロン スポーツバックと共通。ステアリングホイールのデザインが特徴的。

インテリアはeトロン スポーツバックと共通。ステアリングホイールのデザインが特徴的。

アウディ eトロン 50 クワトロ アドバンスド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4900×1935×1630mm
●ホイールベース:2930mm
●車両重量:2400kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:230kW
●最大トルク:540Nm
●バッテリー総電力量:71.0kWh
●WLTCモード航続距離:316km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/50R20
●車両価格(税込):1069万円

This article is a sponsored article by
''.