「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ラクティス(1.3L)だ。
トヨタ ラクティス 1.3G(2010年:フルモデルチェンジ)
![画像: モノフォルムを強調しすぎない、安定感のあるスタイリング。タイヤサイズは全車16インチを採用している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/06/09/69d5a8430c34f4a0a1544f19cda419c6a1253bf5_xlarge.jpg)
モノフォルムを強調しすぎない、安定感のあるスタイリング。タイヤサイズは全車16インチを採用している。
3代目にフルモデルチェンジされたトヨタのハイト系ワゴン、ラクティス。以前は1.5Lを中心に試乗したので、今回は1.3Lの上級グレード「G」を試した。
ファンカーゴから3世代を経てハッチバック的になったスタイルは、全高は先代より55mmも低い1585mm。もはやハイトと言うには微妙だ。いっぽう、全幅は先代から5ナンバー枠いっぱいの1695mm。全長は3995mmで4mを超えない。
低く安定感のあるスタイリングは、一見して広そうには見えない。ただ、このクラスとしてはプレミアム感は十分。運転席は張り出したセンターパネルとアームレストのおかげもあって、包まれ感のある印象。インパネはシンプルだが、さり気ないメッキ装飾などで、質感の高さをしっかり感じさせる。リアシートは、ベルトラインに対してヒップポイントが低いので、すっぽりと深く座る感じ。室内高は1310mmあるから、実際の広さは十分。
乗降性は、前も後ろも普通にスムーズだ。とくにリアドアは、足下がフラットでいい。だがセンターウオークスルーはできないし、室内の収納スペースもコンパクトカーとしても少なめ。小さい子どものいるヤングファミリーには、少し物足りないかもしれない。それでも、ラゲッジスペースは奥行き/高さとも余裕。スタイルはハイト系ワゴン風だが、キャラクター的にはショートワゴンに近いと言えばわかりやすいだろう。