高性能なルーフソーラーパネルを装着
「ヒトと地球」への対応は、なんといってもルーフソーラーパネル(装着車を設定)だろう。1年間で走行距離1800km(社内試算値)に相当する発電量を生み出すというから、なかなかの優れモノではないだろうか。航続可能距離延長への貢献も大で、災害時などにも役に立ちそうだ。
リサイクルをはじめとする、CO2低減への積極的な対策も忘れてはいけない。世界トップレベルの電池容量維持率を確保しつつ、電池のリビルト(検査/再組立て)、リユースや電池リサイクルへの取組みのだ。トヨタでは、これを電池3R(Rebuilt/Reuse/Recycle)と呼ぶ。リサイクル素材の積極的採用もしかりだ。
安心・安全の先進テクノロジーを満載
いよいよ、最後となる4つ目の「ヒトと社会」だ。ここでは、先進安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」と、高度運転支援技術アドバンストパーク「Toyota Teammate Advanced Park」(リモート機能付き)の搭載による予防安全性能の充実が挙げられる。
衝突安全についてはプラットフォームを共同開発したスバルの知見も活かされ、BEVに求められる安全性能の追及も重要だ。その答えが、乗員、バッテリー、衝突相手のクルマを守る全方位衝突対応構造となる。BEVユニットコンパートメントに左右のフロントサイドメンバーを強固につなぐクロス骨格を設定することで、衝突のエネルギー吸収効率を向上させるとともに、車両前方に2つのクロス部材を配置し、相手車両への加害性を低減する仕組みだ。
また、床下への電池パックを全面搭載することで、キャビン前側に強固な枠骨格が形成されることもポイントだ。前面衝突や側面衝突時に、キャビンや電池パックを安定的に保護することができるため、衝突時の入力荷重を複数経路に分散させてくれる効果がある。
電池の不具合を「防止する」「兆候から検知する」対策の強化と、新技術の導入により、万が一の状況に対して安心・安全を確保する設計・多重監視システムの対策も取られている。
アウトドアや災害時などの緊急時に、給電器を接続し、大出力の電力を住宅や家電に供給する「DC外部給電機能(V2H/V2L)」(日本仕様)も有する。家庭用太陽光発電と併用し、日中は太陽光発電で家に電気を供給、余剰電力は給電器を通じて車両を充電、また夜間は車両にためた電気を自宅用の電力として使うことも可能だ。
以上、bZ4Xの詳細を述べてきたが、脱炭素社会に向かう中で、BEVとしての新たな価値観創出へのこだわりがいっぱい詰まったモデルといえるのではないだろうか。気になる発売時期だが、2022年半ばから、日本、北米、中国、欧州など世界各地域に導入する予定という。
トヨタ bZ4X FWDモデル 主要諸元(日本仕様・車内測定値)
●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1920kg~<2005kg~>
●モーター:交流同期電動機
●フロントモーター最高出力:150KW<80kW>
●リアモーター最高出力:-kW<80kW>
●システム最高出力:150kW<160kW>
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード航続距離:500km前後<460km前後>
●駆動方式:FWD<4WD>
●0→100km/h加速:8.4秒<7.7秒>
●乗車定員:5名
※<>内は4WD