2021年11月4日、BMWジャパンは長距離走行が可能な次世代BEV(電気自動車)「BMW iX(アイエックス)」の日本導入を発表。同日より販売が開始された。

BMWモデル初の六角形ステアリングを採用

2020年11月にドイツ本国で発表となった、BMWの次世代BEV(電気自動車)「iX(アイエックス)」がついに日本上陸を果たした。1回の充電での長距離走行を代表とするメカニズムが、その革新性を如実に物語るが、エクステリア/インテリアにも見逃すことのできないこだわりがギッシリと詰まっている。

「大胆かつモダン」&「最小限」がエクステリアのコンセプトだという。フロントは、BMWのデザインを特徴づけるキドニーグリルが大型化されているものの、BMWラインナップの中で最もスリムなヘッドライトが採用されている。

リアは、ヘッドライト同様に薄くシャープなテールランプを採用しデザインの一体感を表現しつつ、エアロダイナミクスを追求したディフューザーを採用し、ワイドなリアトレッドにすることで存在感をアピールしている。

インテリアも、次世代を感じさせるデザインエレメントが多く取り入れられている。まず目に付くのが、メーターパネルとコントロールディスプレイの一体化だ。BMWモデル初の試みで、デザインを際立たせると共に、湾曲したカーブドディスプレイとすることで操作性、視認性が高められている。

運転席まわりのスッキリとした印象は、多くのボタン類を廃止したこと、送風口をスリム化したことによるものだ。操作系は、iDriveコントローラーが他モデル同様センターコンソールに装備されている。未来感タップリの六角形ハンドルもまたBMWモデル初採用だ。

シートはヘッドレスト一体型で、大人5名乗車でも後席空間のゆったり感が得られるという。さらに、オプションのファーストクラスパッケージを選択すれば、電動シートの調整スイッチ、スタート/ストップボタン、iDriveコントローラーなどがクリスタル製となる。

画像: メーターパネルとコントロールディスプレイが一体化されたインパネを採用。

メーターパネルとコントロールディスプレイが一体化されたインパネを採用。

10分の急速充電で約100kmの航続可能距離を延長

いよいよメカニズムに入ろう。iXには最新の充電テクノロジーが採用されており、急速充電器では最大150kWに対応、自宅や公共の普通充電の設備では最大11kWでの充電が可能だ。

ちなみに、150kWの急速充電利用時は40分以内で約80%までの充電が完了し、これで約500kmもの長距離走行が可能となる。しかもわずか10分の急速充電で、約100kmほど航続可能距離を伸ばすことも可能だ。普通充電では、ひと晩(約7時間)で0%から100%の状態まで充電することができる。

駆動は4WDで、前輪用と後輪用計2つのモーターを搭載。グレードは、リチウムイオン電池容量の違いにより「xDrive50」と「xDrive40」の2つのラインナップとなる。それぞれの違いを見ていこう。

iX xDrive50は、前輪に最高出力190kW/最大トルク365Nmを発生するモーターと、後輪に230kW/400Nmのモーターを持ち、システムトータルでは385kW/765Nm。リチウムイオン電池容量は303Ahで、一充電走行距離が650km、交流電力量消費率が190Wh/kmとなる。

一方のiX xDrive40は、前輪に190kW/290Nmのモーターと、後輪に200kW/340Nmのモーターを持ち、システムトータルでは240kW/630Nmを発生する。リチウムイオン電池容量は232Ahで、一充電走行距離が450km、交流電力量消費率が183Wh/kmとなる。

足まわりは、iX xDrive50に4輪アダプティブエアサスペンションを標準装備。前輪、後輪ともにアダプティブエアサスペンションを採用することで、走行状態に合わせ常に最良の車両地上高を保ち、乗り心地、敏捷性、安定性と言った様々な側面にメリットをもたらしてくれるという。

任意の切り替えも可能だ。Sportモードへの切り替えで、ダンパーを固くし、車高を下げることも可能で、車高の設定範囲は高(+20mm)/低(−10mm)となる。

画像: iXは前輪を駆動する1つの電気モーターと、後輪を駆動する1つの電気モーターを持つ4輪駆動モデルだ。

iXは前輪を駆動する1つの電気モーターと、後輪を駆動する1つの電気モーターを持つ4輪駆動モデルだ。

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