2021年8月5日、新型シビックが正式発表された。1972年に誕生したシビックはこれが11代目で、現在に至るまで累計販売台数2700万台を記録している。いまやCセグメントの世界的な人気モデルとなっているが、日本市場では熱狂的な支持を人気を集める時期が長かった一方で、販売が途絶えることもあるなど、波乱万丈な歴史をたどってきた。今回は2代目から世代ごとにつけられたニックネームとともに、その歴史をたどってみたい。

4代目シビック 1987-1991 【通称:グランドシビック】

画像: F1技術を応用した高回転型自然吸気VTECエンジンが話題となった4代目グランドシビック。写真はハッチバック23L。

F1技術を応用した高回転型自然吸気VTECエンジンが話題となった4代目グランドシビック。写真はハッチバック23L。

1987年に登場した4代目は、先代で定着したシビック=スポーティのイメージを強調すべく、ボディはさらにワイド&ローなデザインとなり、内外装の質感の大幅向上や4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションなど贅沢な装備やメカニズムが多数採用され、上級モデルを超える内容を誇った。

エンジンはすべて4バルブ化。PGM-FIや電子制御キャブ、VTEC、可変バルブタイミング・リフト、リアルタイム4WDなど、技術的にも大きく進化、走りのパフォーマンスも大幅に引き上げられた。

ボディバリーションは3代目同様、3ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアハッチバックのシャトルが設定された。

また、4代目でもホットバージョン「Si」がラインナップ。ストリートや峠で高い人気となったほか、全日本ツーリングカー選手権を筆頭に、日本中のサーキットでレーシングカーとして活躍した。

画像: F1での大活躍を背景に、スポーツイメージを高めたのが4代目。デザインはさらにワイド&ローで、洗練されたものになった。

F1での大活躍を背景に、スポーツイメージを高めたのが4代目。デザインはさらにワイド&ローで、洗練されたものになった。

画像: ホイールベースを拡大するとともに、内装の質感向上も図られ、快適性でも大きく進化した。

ホイールベースを拡大するとともに、内装の質感向上も図られ、快適性でも大きく進化した。

5代目シビック 1991-1995 【通称:スポーツシビック】

画像: スポーツ性がさらに増した5代目は「スポーツシビック」と呼ばれた。写真はSiR II。その一方で4ドアセダンは「フェリオ」のサブネームとともに、独立したシリーズへ成長していく。

スポーツ性がさらに増した5代目は「スポーツシビック」と呼ばれた。写真はSiR II。その一方で4ドアセダンは「フェリオ」のサブネームとともに、独立したシリーズへ成長していく。

1991年に登場した5代目は、初代から続くロー&ワイドのプロポーションをさらに煮詰めて登場。スタリングはやや丸みを帯びたものになったが、車高はさらに低くめられた。

4ドアセダンは「シビックフェリオ」として独立。また、北米専売モデルだった2ドアクーペモデルも逆輸入で導入された。

先代から継承された4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションはストロークが伸ばされて路面追従性が大幅に向上。それまでのシビックの中で最も優れた乗り味とハンドリングを実現し、高い人気を得ることとなった。

1.3L SOHC、1.5L SOHC(シングルキャブ/VTEC/VTEC-E)、1.6L DOHC VTECなどを揃えた幅広いパワートレーンも魅力だった。

ファミリー向けのハッチバックとして生まれながら、次第にスポーツ性を増していったホンダ シビック。そのひとつの集大成とも言えるのが、シビック Siだ。初代のSiは3代目シビックのマイナーチェンジの時に追加設定されて大きな反響を呼んだが、この5代目ではシビックシリーズになくてはならない存在となっていた。

合理的なFF 2ボックスコンパクトとして誕生したシビックは、ファミリー向けのハッチバックとしてボディを拡大していく一方で、RS→CX→Siといったハイパフォーマンスモデルが注目を集めるなど、とくに日本市場では次第にスポーツ性を増していった。

画像: 車高はさらに低くなり、走りも進化。VTEC技術を応用して燃費の大幅改善を図ったVTEC-Eも登場した。

車高はさらに低くなり、走りも進化。VTEC技術を応用して燃費の大幅改善を図ったVTEC-Eも登場した。

画像: 4代目までの開放的なデザインから一転、コクピット感のあるスポーティなインテリアになった。

4代目までの開放的なデザインから一転、コクピット感のあるスポーティなインテリアになった。

▶︎▶︎▶︎次回(1月31日19時公開)へ、つづく

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