コンセプトは「毎日が格別」なSUV
レヴァンテに続くマセラティのSUV第2弾は、「地中海の激しい北東風」から名づけられた「グレカーレ(Grecale)」という車名になる。このことは以前からアナウンスされており、カモフラージュされたプロトタイプがテスト走行するなどの事前情報を、すでに当Webモーターマガジンでも紹介してきた。
そしてついに、マセラティの本拠地であるイタリア・モデナのマセラティ イノベーションラボで開発され、カッシーノ工場で生産されるグレカーレが正式に発表された。「The Every day Exceptional(毎日が格別)」をコンセプトに、エレガンス/パフォーマンス/汎用性/革新性の4つのバランスを取りながら、性能/快適性/安全性を同時に保証したSUVだ。これらの特徴は、オフロード性能と妥協のないドライビングプレジャーとも結びついている。
グレカーレは、まず以下の3バリエーションで展開する。
●GT:300psの直4 ハイブリッドエンジンを搭載
●モデナ:330psの直4 マイルドハイブリッドエンジンを搭載
●トロフェオ:MC20に搭載されたネットゥーノ(3L V6)をベースにした、530psの高性能エンジンを搭載、0→100km/h加速3.8秒、最高速度285km/h
トロフェオの0→100km/h加速は3.8秒、最高速度は285km/hと公表されている。そして、2023年には400Vの電気自動車(BEV)も加わってラインナップが完成する。その名称は3月19日に公表されたマセラティのBVシリーズ名「グレカーレ フォルゴーレ」となるようだ。
グレカーレのスタイリングは、MC20以降の新しいマセラティ車に共通する新しいビジュアルシンボルを取り入れている。フロントマスクにおいては、フロントグリルを低い位置に配置することを特徴とする。リアにおいては、テールランプまわりにブーメランのような形のデザインが取り入れられており、これはジウジアーロが手がけた3200GTから着想を得たもの。Cピラーからテールゲートにかけての構成はクーペ効果によりスポーツカーのような仕上がりで、より印象的になっている。
ボディサイズは、GTで全長4846×全幅2163(ドアミラー含む)×全高1670mm、ホイールベースは2091mmで、兄貴分にあたるレヴァンテよりひとまわり小さい。
インテリアでは、マセラティ伝統の時計やメーターはデジタル化され、また音声コントロールを可能とするなどデジタル化/コネクティッド化も進められている。スイッチ類はすべてタッチ式だ。センターダッシュにはマセラティ史上最大の12.3インチ大型スクリーン、その他、コントロール用の8.8インチ ディスプレイ、そしてリアシートに3番目のディスプレイも備わる。
さらにソナスファベール製の3Dサウンドシステムは、標準で14スピーカー、ハイプレミアムレベルでは必要に応じて21スピーカーが搭載される。
このほかにも、ヴィークル ダイナミック コントロール モジュール(VDCM)によるハンドリング特性や、360度のボディ制御によるドライビング特性など、マセラティが100%新開発したという新しい機能を搭載しているといい、その走り味も気になるところ。ドライブモードはコンフォート/GT/スポーツ/コルサ(トロフェオのみ)/オフロードが設定されている。
さて、気になるグレカーレの日本仕様だが、今回発表された3グレードすべてが導入されるかは未定。それでも、車両価格は「800万円台後半〜」を予定しており、2022年6月上旬ごろからオーダー受付を開始する。日本でのデリバリー開始は2023年上旬が予定されている。
グレカーレの最大のライバルはポルシェのマカンだろうが、メルセデス・ベンツ GLCやBMW X3などもライバルとなるだろう。フルEVも登場するとなれば、プレミアム インポートSUVのマーケットは、さらに活性化していくことは間違いない。