1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、フェラーリ 308だ。

フェラーリ 308(1975〜1985)

画像: ピニンファリーナの美しいデザインにより、フェラーリ308は今もなお人気の高いスーパーカーの1台だ。

ピニンファリーナの美しいデザインにより、フェラーリ308は今もなお人気の高いスーパーカーの1台だ。

308GTBは、1975年のパリ モーターショーでデビューし、一躍大人気を呼んでフェラーリのドル箱となったモデルだ。車名はエンジン排気量と気筒数からなり、3Lの8気筒エンジンを搭載する。GTはグランツーリスモ、Bはベルリネッタ(クーペ)を意味する。

そのスタイリングは、ディーノ 246GTを手がけたピニンファリーナが、そのデザインエレメントを継承しつつ一段と洗練させた美しさで目を引いた。ピニンファリーナで実際にデザインしたのは、1960年代末期から1990年代前半までのフェラーリ車の多くを手がけた、レオナルド・フィオラバンティといわれている。

フェラーリの市販車としては初めての8気筒エンジンは90度のV型DOHC。2バルブだったが、ボア81.0×ストローク71.0mmのショートストロークで、8.8の圧縮比とウエーバー製40DCNFキャブレターを4基装着。ドライサンプ化した欧州仕様では、最高出力は255psを発生し、公称最高速は252km/hと謳われていた。排出ガス規制の厳しい北米仕様ではウエットサンプで最高出力は240psに抑えられていたが、それでも侮れない高性能ぶりを発揮した。

308のもうひとつの特徴が、初期型はフェラーリ初のFRP製ボディをまとっていたことだった。当時はまだFRPの工作精度の低さが問題視されていたが、後期型のスチールボディよりは200kg以上も軽く、加速性やハンドリングの向上につながっていたのは確かだった。

当時の日本では北米仕様と同じスペックで導入されていた。308GTBの販売価格は1350万円。1970年代後半の輸入車としても高価だったが、生産終了までに2897台が製作され、人気の高さを実証している。

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