日本でも人気のコンパクトMPV、ルノー カングーが14年ぶりにフルモデルチェンジされ、いよいよ日本デビューを果たした。ルノー・ジャポン プロジェクトマネジメント部の高橋伸幸 マネージャーの話をまじえながら、人気市場である日本向けに専用仕様が開発された新型カングーについて考察してみたい。

「ないものねだり」になってしまうけれど・・・

画像: リアサイドドアはスライド式だが手動のみ。ダブルバックドアのテールゲートは本国仕様では商用車用だが日本仕様に採用。

リアサイドドアはスライド式だが手動のみ。ダブルバックドアのテールゲートは本国仕様では商用車用だが日本仕様に採用。

安全&快適装備も充実し、装備レベルに不満はない。このように大きく進化を遂げたカングーだが、「これがあれば、もっと良いのに・・・」と思ったポイントもなくはない。

まず、日本では軽ハイトワゴンでも採用している電動スライドドアの設定。高橋氏によれば、本国フランスをはじめヨーロッパでは、カングーはLCV(ライト コマーシャルビークル=小型商用車)としての需要が大きいため、スライドドアの素早い開閉が必要とされる。それゆえ、ゆっくり開閉する電動スライドドアは求められていないのだという。できれば、アライアンス グループの日産や三菱と協力して、オプションでいいから日本仕様には設定して欲しいものだが。

また、ダブルバックドアは左ハンドルに対応した仕切りのため、右ハンドルの日本仕様ではルームミラーから見る後方視界の真ん中に仕切りがあり、けっこう見にくい。これに関しては、デジタル ルームミラーを設定して対応する予定(by 高橋氏)だというから、期待しよう。

そして、電動化が進む世の中を考えると、ルノー得意の「Eテック ハイブリッド」を搭載したHV(ハイブリッド車)の登場も待たれるところ。本国仕様のカングー商用車版にはBEV(バッテリー電気自動車)はラインナップされているが、いまのところHVの設定はない。LCVとしては都市近郊を1日走り回れれば良いから、一充電で285km走行可能なBEVで十分というわけだ。

だが、ヨーロッパではディーゼルに変わるパワーユニットとして開発されたEテック ハイブリッドなのだから、将来的にはカングー ハイブリッドが登場する可能性は高いだろう。プラットフォームを共有するルーテシアにも設定されたことだし、期待値は高まっていく。

いずれにしても、現段階で新型カングーを選ぶなら、ガソリン車でもディーゼル車でも、ボディ同色バンパーでも黒バンパーでも、どれを選んでも満足できることは間違いない。まずは実車を見て、さわって、乗ってみて、自分に合った1台を見つけてみて欲しい。(写真:Webモーターマガジン編集部、ほか)

画像: ハイウエイクルーズが多いユーザーなら、燃費が良さそうなディーゼル車を選んだほうがベターかもしれない。

ハイウエイクルーズが多いユーザーなら、燃費が良さそうなディーゼル車を選んだほうがベターかもしれない。

ルノー カングー インテンス(ガソリン)主要諸元 < >内はクレアティフ(ディーゼル)

●全長×全幅×全高:4490×1860×1810mm
●ホイールベース:2715mm
●車両重量:1560kg<1650>
●エンジン:直4 DOHCターボ<同ディーゼルターボ>
●総排気量:1333cc<1460>
●最高出力:96kW(131ps)/5000rpm<85(116)/3750>
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600rpm<270(27.5)/1650>
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム<軽油>・55L
●WLTCモード燃費:15.3km/L<17.3>
●タイヤサイズ:205/60R16
●車両価格(税込):395万円<419万円>
※インテンスもクレアティフも主要諸元は同じ

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