2010年12月、トヨタとダイハツの共同開発車であるパッソとブーンがフルモデルチェンジして2代目となって登場した。先代モデルは女性ユーザーから高い支持を得ていたが、この3代目はどんな魅力を持っていたのか。ここでは登場間もなく行われた国内試乗会の模様をを振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年5月号より)

1Lモデルでも十分、普段の足になんら不足なし

その動力性能を確かめるために、まず1Lモデルから試乗を始めた。先代ではパッソもブーンも販売台数のうち8割が1Lモデルだったというから、今回もこちらがメインとなるのは間違いない。

そして試乗した感想は、結論から言ってしまうと「これで必要十分」というものだった。試乗は主に午前中の市街地で行ったのだが、交通量が多くストップ&ゴーが繰り返される中でも出足で遅れるようなことはなかった。

続いて1.3Lモデルに試乗した。その走りは、やはり+300ccの余裕が感じられるもの。ただし、遠出をすることがある人や多くの人や荷物を載せる機会が多い人でない限りは、やはり1Lモデルで十分と感じられたのが正直なところだ。

どちらにも共通していたのは、その快適性。車内の静粛性は高く、フロントシートとリアシート間での同乗者との会話が楽にできた。乗り心地は良く、路面からの突き上げをほとんど感じさせないものだった。

また、先代よりヒップポイントが10mmアップしたことやサイドのベルトラインを下げるなどして広い視界を確保しているのも魅力。軽自動車並の4.3~4.7mという最小回転半径によって、歩行者の多い街中や路地裏へも気兼ねなく入っていくこともできた。女性ドライバーが家の近くへショッピングへ行ったり、家族や友人の送り迎えに、最適なクルマとなっていた。

画像: 落ち着いた色合いとベンチシートが特徴となるパッソ+Hanaのインテリア。

落ち着いた色合いとベンチシートが特徴となるパッソ+Hanaのインテリア。

自分の部屋のようにリラックスできる空間

デザインを見ると、パッソは「自然体」がテーマの通常モデルと「さりげないおしゃれ」をテーマにする パッソ+Hana の2種類が用意されている。ブーンは基本的に全モデルがパッソの通常モデルと同じデザインとなる。

パッソ+Hanaのエクステリアは、ドアハンドルやドアミラー、ホイールがシャンパンゴールドに塗装され、フロントグリルとヘッドランプがより上質感のあるデザインとされる。インテリアは、カラーが落ち着いたブラウン基調になり、フロントシートがベンチタイプとなる

パッソの通常モデルとブーンのインテリアカラーは明るいグレーが基調となる。パッソは全グレードでフロントシートがセパレート式になる。ブーンはグレードによって、ベンチタイプとセパレートタイプの選択が可能だ。

インテリアデザインは直線を基調としながら、角に丸みを持たせたり、ところどころで円のモチーフを用いることで、女性らしい「やわらかさ」を感じさせるものとなっている。

リアシートの荷物がフロアに転がり落ちないように、シートクッションが前に伸びて隙間を埋めるパッソ/ブーン独自の「ロングクッションモード」も続けて採用。従来はリアにあった買い物フックも手に届きやすいフロントへ移動するなど使い勝手も良い。

女性の女性による女性のためのクルマ、パッソとブーンは、軽自動車では少し物足りないと考えている女性ドライバーにオススメの1台だ。(文:Motor Magazine編集部/写真:井上雅行)

トヨタ パッソ 1.0 +Hana主要諸元

●全長×全幅×全高:3650×1665×1535mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:910kg
●エンジン:直3DOHC
●排気量:996cc
●最高出力:51kW(69ps)/6000rpm 
●最大トルク:92Nm(9.4kgm)/3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:129万5000円(2010年当時)

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