ルキシオンだけが備える先進性には、選ぶ価値が十分にある
高速道路では、ルキシオン最大の特徴であるプロパイロット2.0の真価を試すことができた。
プロパイロット2.0は、ナビゲーションと連動したルート走行を行い、状況に応じて同一車線内のハンズオフ走行を可能にする機能だ。この機能を初搭載したのはスカイライン、2番手のアリアに続き、セレナが3車種目となる。
実は筆者はこのたび、プロパイロット2.0は初体験。日産のコマーシャルで松たか子さんが驚いていたような反応はできるのだろうか。
まずACCをセットすると、始動音とともにACCモニターが緑色で表示される。その後10秒経たない程度で画面が青色に変化した。ここがハンズオフ可能になった合図だったが、筆者はこれを知らずにその後もしばらくハンドルに手を添え続けてしまった。なぜならハンズオフが開始された時に、音による知らせがなかったからである。
しばらくして、手を恐る恐る離すと、不安感をまったく感じさせずにクルージングが続いた。思わず「すごい」と声に出してしまった。時折、前方に注意を呼びかける警告が出たが、その反応が正確なことにも驚いた。新型セレナに搭載するプロパイロット2.0のドライバー監視モニターはAピラーに配置される。これによって、視認性を高めるだけでなく、マスク装着時の認識性能を向上している。
もっとも感心したことは、ハンズオフができることではなく、クルージング時の正確なアシスト性だ。
車線内をビシッと捉えてトレースしていく様子は、なにより安心感がある。セレナの操安乗心地/制動性能実験グループの主担を務める松井氏によると、プロパイロット2.0を背の高いミニバンに採用するにあたって、走行中のドライバーへの安心感や車体の安定感を特に重視したという。その効果を実際に感じることができた。
ルキシオンは、ハイウェイスターVと比べて特に運転したときの満足感が大きかった。前席の高い静粛性に加えて、ルキシオンでしか得ることのできない先進機能を味わうのは、ハンドルを握る者の特権だ。
今回は試乗会の参加だったため、燃費性能や長距離走行の快適性などを体験することができなかった。一方で、短い時間ながらもセレナe-POWERの進化ぶりを大いに感じることができた。特にエンジンの存在を感じさせない静粛性と、気持ちの良いハンドリングはぜひ実際に試乗して確認していただきたい。
今回のセレナe-POWERは、歴代モデルたちが持っていたセレナならではのユーティリティの高さや運転のしやすさに加えて、ひとクラス上の上質感と、世界でもトップレベルの先進安全装備を持ち合わせている。実際に、新しいセレナを注文する人の中には、オデッセイやエスティマなどのLクラスミニバンからの乗り換えも少なくないという。
そしてこの魅力の増した新型セレナe-POWERを、存分に味わいたいのならば、ぜひルキシオンを選択したいところである。