1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ランボルギーニ ムルシエラゴだ。

ランボルギーニ ムルシエラゴ(LAMBORGHINI MURCIELAGO:2001-2010)

画像: 写真は2006年に登場したLP640。6.5Lにエンジンをスープアップし、電気系や駆動系を改良。640は最高出力を表している。

写真は2006年に登場したLP640。6.5Lにエンジンをスープアップし、電気系や駆動系を改良。640は最高出力を表している。

スーパーカーブームの主役となりながらも1970年代からさまざまな経営難に直面し、何度も出資元が変わってきたランボルギーニだが、1998年にアウディの傘下となる。これ以降は2023年現在まで変わることはなく、ランボルギーニはアウディの庇護の元、安定してスーパースポーツカーを作り続けられるようになったといえる。

そんなアウディ傘下となったランボルギーニの第1弾が、2001年のフランクフルト モーターショーで、あの「9.11」の直前に発表された「ムルシエラゴ」だ。その車名は例によって闘牛の名前に由来するのかと思ったが、そうではなくスペイン語で「コウモリ」の意味だった。攻撃的なキャラクターを強調する斬新なデザインは、ランボルギーニのチーフデザイナー、リュック・ドンカーヴォルケによるもので、「コウモリ」を名乗るムルシエラゴのダークヒーロー的な魅力をよく表現していた。

ムルシエラゴは、ディアブロの後継にあたるランボルギーニのフラッグシップとして位置づけられたモデルだ。言い方を変えればディアブロが11年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、車名を変更したともいえるだろう。つまり、基本設計の良いところはディアブロから引き継がれている。

パワーユニットはディアブロと同様のバンク角60度のV12 DOHC48バルブだが、ディアブロに搭載されていたものよりもストロークをアップすることで、排気量が6Lから6.2Lへと引き上げられている。デビュー時のパワースペックで比較すれば、最高出力はディアブロの492psから580psへ、最大トルクは同じく580Nmから650Nmへと、大幅なパワーアップが図られている。

ディアブロとの大きな違いは、駆動方式がミッドシップ4WDだけになったことが挙げられる。また、ディアブロではカウンタックと同様に後輪を駆動するためのプロペラシャフトがオイルパン内を貫通していたが、それを車体右側に移し、潤滑方式をドライサンプ化してエンジン搭載位置を下げている。フロントの駆動に関してはトランスミッションが前方にあるという意味では取り出しやすく、合理的な設計だった。

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