日産GT-Rとポルシェ911といえば、日本とドイツを代表するスポーツモデルだ。その最新仕様といえるGT-RプレミアムエディションのTスペック、そして911のカレラT。いま乗ってみたいスポーツモデルの最右翼と考えられるこの両車を一緒に走らせて、果たして「いったい何が楽しいのだろうか」という、2台が備えている真意を感じ取ってみた。(Motor Magazine2023年12月号より)

デビューから16年を経てさらなる熟成と進化を遂げたGT-R

画像: 多くの人々が憧れる日産GT-Rのリアエンブレム。その下に、大きくTスペックのプレートが装着される。

多くの人々が憧れる日産GT-Rのリアエンブレム。その下に、大きくTスペックのプレートが装着される。

そうしたポルシェ911を意識しながらも「遺産」を持たない自分たちは何のしがらみもなく理想を追求して生まれることが可能だった...と、そんなフレーズとともに誕生した現行GT-Rも気が付けば誕生からすでに16年。

デビュー当初は、よもやこれほど長寿なモデルになることなど誰もが予想だにしなかったに違いないのは、911の場合とも同様であるはず。それどころか、基本的ハードウェアに手を加えることなく時を重ねてきたという点においては、911以上に長い目で眺める必要があるのがこちらだろう。

画像: 車内の快適性が大幅に向上された2024年モデル。トランスミッションは6速DCTのみの設定だが、その変速動作は初期型GT-Rと比較すると驚くほど静粛性が高くなるとともにつながりの滑らかさも向上している。またTスペックには、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキが標準装備されている。

車内の快適性が大幅に向上された2024年モデル。トランスミッションは6速DCTのみの設定だが、その変速動作は初期型GT-Rと比較すると驚くほど静粛性が高くなるとともにつながりの滑らかさも向上している。またTスペックには、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキが標準装備されている。

それでも陳腐化を余儀なくされるのではなく、すでに入手した人に対しても改めて最新モデルへの乗り換えを考えさせる商品として成り立っている点においては、911同様の価値感を備える商品へと昇華された存在と言っても過言ではなさそうだ。もちろん、ローンチ後も改良の手が加えられ、新しいニュースが上書きされ続けているのが、その大きな理由である。

GT-Rの2024年モデルは空力性能のリファインを徹底的に実施

そうした中で、時に理不尽と思えるほどに厳しさと項目を増やし続けるさまざまな規制や規則への対応もあり「さすがにそろそろ打ち止めではないか?」という大方の予想と覚悟(?)を覆し「2024年モデル」へと再々度の進化を遂げたのが最新のGT-Rだ。

画像: Tスペックは、時代を牽引するクルマであり続ける「Trend Maker(トレンドメーカー)」でありたいという思いと、しっかりと地面を捉え駆動する車両「Traction Master(トラクションマスター)」であるという考えから命名されたグレード。全車に標準装備されるチタン合金製マフラーはFUJITSUBO(フジツボ)製である。

Tスペックは、時代を牽引するクルマであり続ける「Trend Maker(トレンドメーカー)」でありたいという思いと、しっかりと地面を捉え駆動する車両「Traction Master(トラクションマスター)」であるという考えから命名されたグレード。全車に標準装備されるチタン合金製マフラーはFUJITSUBO(フジツボ)製である。

日産車の記号と言えるVモーションを捨てて横長の水平基調が強まったフロントグリルは、開口面積が小さくなりながらもこれまでと同等のインテーク流量を確保。

最新モデルであることをわかりやすく示す位置と形状を変更したリアウイングは、新たな翼断面形状と後方に移動したセット位置により、ウイング下面で発生した負圧がトランクリッドに上向き揚力を発生させてダウンフォースを相殺させることを防止するという、デビュー後に劇的な進化を遂げたシミュレーション技術を活かしたスーパーGTレース譲りの手法を採用した結果という。

これを筆頭に、空力面でのさまざまなリファインが実施されるのも2024年モデルの特徴だ。空気抵抗や冷却性能を悪化させず車両トータルでのダウンフォースを改善し、ライントレース性は直前の2022年モデル比で12%の向上を果たしている。

基本のボディシェルにこそ手を加えていないが、デビュー以来の長い時間で得られたさまざまな知見やテクノロジーの進化を踏まえ、最大限の空力リファインが加えられたことが最新モデルの見どころだ。

This article is a sponsored article by
''.