パッセンジャーをもてなす快適な乗り心地はショーファーにも◎
新型クラウンセダンは、ショーファーカーニーズをテーマに開発が進められたそうです。快適な乗り心地と上質な走り、そしてゆとりの空間が、後席のパッセンジャーにくつろぎの移動時間をもたらすことを目指しています。
ロングホイールベースのおかげで、新型クラウンセダンは前席と後席のカップルディスタンスを約1000mm確保、先代のマジェスタと同等の足元空間を確保しています。ベースとなるMIRAIよりも広く、ショーファーニーズへのこだわりが垣間見えるところしょう。
ものは試しとまずは後席に乗り込んでみたところ、確かに足元にはゆとりがある印象。ただ低い車高はSUVスタイルに比べるとやはり、乗り降りの時に少々腰をかがめるようにしなければなりません。とくにサンルーフを装備した仕様では、開放感という意味でももう少しヘッドクリアランスが欲しい、と感じました。
もっともそう思えてしまう理由もまたこのところ、SUVやミニバンに慣れ親しんできたから、なのかもしれません。実際、新型クラウンのリアシートに座っていると、「乗せて(あるいは載せて)もらっている」というショーファーさんにおまかせ的感覚よりも、ともにドライブを楽しんでいるというある種、クルマとの一体感をしっかり味わうことができるような気がします。
ほどよく締まった印象の乗り心地もまた、一体感を覚えるひとつの理由かもしれません。開発陣が「フラットボディコントロール」と呼ぶリアサスまわりの「いなし」を加えたセッティングは、柔らかすぎず、けれど不快な振動や揺れをうまく抑えてくれます。下手にふわふわした腰の弱い乗り味よりも確実に「後席クルマ酔い」を防いでくれます。
もしも「少し硬いかな・・・」とパッセンジャーがぼやいた時には、ドライブモードセレクトで「リアコンフォートモード」を選んでみましょう。乗り心地重視に寄せたAVS制御によって、たとえるなら緩衝材をシート下や足元に1枚、追加したようなより優しい乗り味が生まれます。
こうした新型クラウンセダンの「リアシートコンシャス」な躾の良さは、そのまま前席のナビゲーターはもちろんドライバーにも、しっかり居心地の良さとなって伝わってくるものでした。