この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第29回目は、ルノー4CVの流れをくむ4ドア5座RRセダン、日野コンテッサの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
HISTORY&IMPRESSION
HISTORY
<コンテッサ900>
日本最古の自動車メーカー日野自動車(当時日野ヂーゼル工業)は昭和28年にルノー公団と技術提携に調印、ルノー4CVを国産化。その技術を生かしコンテッサ 900を36年に発売、そして39年にコンテッサ1300が誕生する。日野自工は41年、乗用車部門から撤退を決定したため3年余しか生産されなかった。
IMPRESSION
オリジナルの4ドアセダンはコラム式MTが標準だったが、クーペはフロア4速でグッとスポーティ度を上げたモデル。コーナリングでテールヘビーを感じさせるのは、設計上フロントが軽すぎたためだろう。それでもOHVエンジンはトルク特性に優れ、とても使いやすかった。最高速度は145km/h程度だったが、運動性能は個性的で楽しいものだ。
日野コンテッサ1300クーペ(PD300型)諸元
●全長×全幅×全高:4150×1530×1340mm
●ホイールベース:2280mm
●車両重量:945kg
●エンジン型式・種類:GR100型・直4OHV
●排気量:1251cc
●最高出力:65ps/5500rpm
●最大トルク:10.0kgm/3800rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.60-13 4PR
●新車価格:85万8000円