急速に充実するレクサスSUVラインナップたち
クルマの形状において今や最大勢力であるSUV。とりわけ乗用車のモノコックをベースとした今日的あり方を、トヨタは早くから手掛けてきた。
90年代前半には現在の販売的主力であるRAV4を、そして90年代後半にはプレミアム系SUVの先駆けとなったハリアーをリリース。そのレクサス版となるRXもまた、ブランド内で最大の販売台数をマークした。
そのRXを中軸に、NXやUX、LBXやBEVのRZなど、多彩なSUVラインナップを構築するレクサスだが、一方でラダーフレームの車台を用いたLXやGXといったオフローダー寄りのSUVもその一翼にいる。
こういう構成が採れること自体、プレミアムブランドにおいては相当レアなケースで、他を見渡せばメルセデスやキャデラック、インフィニティぐらいしかないだろう。
レクサスがRXの傍らにLXやGXを並べることができるのは、トヨタブランドの信頼性や耐久性の象徴ともいえるランドクルーザーの存在が大きい。
その時々で鍛え込まれたアーキテクチャーを活かした初代LXが登場したのは96年と実はRXよりも早く、レクサスとしては初のSUVということになる。
そして02年に登場したのがレクサスGXだ。こちらはランドクルーザー120〜150(日本名プラド)の進化と歩を合わせるように二代20年余に渡って世界のマーケットで受け入れられてきた。
三代目にしてついに、日本市場への導入が決定
LXとの棲み分けは、よりデイリーなニーズだったり、ヘビーデューティなニーズだったりというところで、二次・三次のユーザーに渡ればオフロードカスタムのベースとしても重宝されている。
そして23年、三代目へと進化した新型GXが間もなく日本でも発売が開始となる。この展開が決定された背景にはアーキテクチャーの完全刷新により、目の肥えた日本のカスタマーにも応える質感が手に入った点が挙げられよう。
新型GXの基本メカニズムは23年夏に発表されたランドクルーザー250と同じだ。元をただせばランドクルーザー300やLXが採用するラダーフレームベースのGA-Fプラットフォームを用いたファミリーの一員ということになる。
ただしランドクルーザー250とは微に入り細に入り変更を受け、GXの求める水準へと資質を向上。とくに上屋の側は、オンロードでの応答性の高さや上質な乗り心地を目指して試行錯誤を重ね、コアサポートやステアリングサポート、リアホイールハウス付近などに補強部材を追加している。
ホイールベースは2850mm。前型より60mm伸びたこれは、走破性と実用性の両立を追求し続けたランドクルーザー系の黄金比ともいえるもので、LXも同じ長さとなる。そのぶん、全長も伸びて4950mm。三寸はランドクルーザー300と同じでLXよりは100mmほど短いだけだ。日本では、使う環境を選ぶことになるのは致し方ないところか。