エネルギーや環境問題が取り沙汰されて、一時期は絶滅危惧種かと思われていた乗用車のマルチシリンダー エンジンだが、スーパースポーツカー メーカーを中心に新たなムーブメントが起きつつある。ここでは、注目のモデルを中心にマルチシリンダー エンジンについて考察してみたい。

アストンマーティン 新型ヴァンキッシュ

画像: 現在公開されている画像は、このエンジンカバーのアップのみ。

現在公開されている画像は、このエンジンカバーのアップのみ。

イギリスのスーパースポーツカー メーカーであるアストンマーティンも、V12エンジンにこだわりを見せるメーカーだ。最近では、DB12ヴァンテージにはメルセデスAMG由来のV8ツインターボを搭載しているが、2024年後半に発表予定のヴァンキッシュには、新開発のV12エンジンを搭載するという。

従来のV12エンジン(DBSでは5.2Lだった)のシリンダーブロックの強化、シリンダーヘッドの再設計、カムシャフトの形状変更といった改良を加え、排気量は未発表だが、ツインターボを装着し最高出力は835ps、最大トルクは1000Nmを発生。すでにヨーロッパではプロトタイプがテストコースを走行するシーンもスクープされている。

なお以下の動画で、エンジン単体とサウンドを、観て、聞くことができる。

画像: Dawn of a new V12 era | All Will Be Vanquished youtu.be

Dawn of a new V12 era | All Will Be Vanquished

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ブガッティ 新型ハイパーカーはV16ハイブリッドを搭載

画像: ブガッティのティザーサイトで公開されている、フロント部分のアップ。

ブガッティのティザーサイトで公開されている、フロント部分のアップ。

フォルクスワーゲン グループのベントレーは、狭角V6エンジンを二つ合わせたW12エンジンをコンチネンタルGTなどに搭載していたが、2024年4月でW12の生産を終了。コンチネンタルGTの次期モデルからはV8エンジンにモーターを組み合わせたウルトラハイパフォーマンス ハイブリッドパワートレーンを搭載する。

同じフォルクスワーゲン グループのブガッティも、W16エンジン(こちらは狭角V8を二つ合わせた)を搭載したシロンの生産を終了。だが彼らは、その後継モデルとなるハイパーカー(車名は未発表)には、なんとV型16気筒!のエンジン(タイトル画像)に3基のモーターを組み合わせたハイブリッド システムを搭載するという。

詳細に関しては未発表だが、タイプ57 SCアトランティークやタイプ41ロワイヤル、そしてタイプ35といったクラシック ブガッティからインスパイアされ、美しさ、豪華さ、そしてパフォーマンスを軸にゼロから設計されている。新しいブガッティの時代を開くハイパーカーの発表は6月20日。それまでは下の動画からV16エンジンのアップとサウンドを確認しておこう。(文:篠原 政明)

画像: BUGATTI: A New Age — “Pour L’Éternité” youtu.be

BUGATTI: A New Age — “Pour L’Éternité”

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