2020年にデビューした当初からとても個性的なモデルだったMX-30が、2023年11月にロータリーEVが発売されたことでそれをさらに際立たせた。なにより「マツダの魂」ともいえるロータリーエンジンが搭載されたことが最大のトピックだ。ところで燃費はどうなのか、電気だけでどれだけ走るのか、使い勝手は? 気になるところを確かめてみた(Motor Magazine 2024年6月号より)。

フリースタイルドアは子供にもおすすめ?

約1カ月の長期テストでは、これまで試せなかったことや気づかなかったことも発見した。まずこの特徴的なフリースタイルドアだが、発売当初は開口部が狭く、乗り降りしづらいと感じていた。しかし、小さい子を持つ親となった今、このドアだけを単独で開けることができないし、ウインドウも開かないので逆に安心だ。

画像: ドアを閉じれば包まれ感に浸れるが、フリースタイルドア(観音開き)を開ければピラーレスなので車内の開放感は抜群。海辺やキャンプなどアウトドアとの相性も良さそうだ。

ドアを閉じれば包まれ感に浸れるが、フリースタイルドア(観音開き)を開ければピラーレスなので車内の開放感は抜群。海辺やキャンプなどアウトドアとの相性も良さそうだ。

さらに、前述した包まれるような後席は子供にとっても安心感が高いらしい(個人差あり)。難点は前のドアをある程度開けないと後のドアが開けられないので狭い場所での乗り降りは苦手。しかし、そんなことよりも、この個性に大きな価値があるのだと思う。

驚いたのは、この試乗期間で約1000km走ったにもかかわらず、一度も給油することがなかったこと。今回は会社のガレージで3回、外出先で2回、計5回充電し、毎回100%まで充電した。電気のみで80km前後は走れるため、ロータリーエンジンを始動させることが少なかったためもあるだろう。

燃費も22.5km/Lを記録。もちろん、充電環境が整っていれば電気のみで移動できるので、燃費はさらに向上する。ちなみに今回は通勤や取材の移動に使用したが、私の場合、通勤のみなら往復約40kmなので2日に1回充電すれば電気だけで走れそうだ。

ロータリーエンジンを搭載したことで、もはや唯一無二の存在となったMX‒30。その個性をより際立たせるには、ロータリーEVはベストな選択と言えるかもしれない。

画像: 買い物時に200Vの普通充電で充電してみた。急速充電も使えるが6kWの普通充電でも約3時間で満充電になる。

買い物時に200Vの普通充電で充電してみた。急速充電も使えるが6kWの普通充電でも約3時間で満充電になる。

マツダ MX-30 R-EV インダストリアル クラシック
試乗機関:3月25日〜4月22日
走行距離:1054km
平均燃費:22.5km/L

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