過去イチコンパクトになったがゆえに犠牲も?
過去にはNA型ロードスターを友人に布教しながら、自分はNB型ロードスターを購入したことがある。その時は独身だったが、ロードスターで車中泊をしながら旅もできたし、タイヤを積んでサーキットに走りに行ったりもした。ロードスターにクルマの楽しみ方を教えてもらった。
時を経て、久しぶりにロードスターに乗り込むと、思いの外、車内は狭く感じた。てっきり中年化と共に自分が肥大したのかと思ったが、そもそもND型は歴代モデルで一番全長が短く(3915mm)コンパクトになっているので、それもそのはずだ。
ただ、以前は幌を収納するスペースにも荷物を置けた気がするのだが、ND型ではエアロボードやシートバックバーなどもあって、そのスペースを荷物置き場として使うのは難しそうだ(そもそも本来の使い方ではないが)。だから荷物を載せるには苦労しそうだが、センターコンソールの収納や約130Lのラゲッジスペースをうまく活用するしかないだろう。
今回は主に通勤や取材の移動などに使用した。日々の通勤では渋滞にハマることも多く、燃費を悪化させる原因となってしまったが、それでも14.2km/Lという良好な数値を記録した。やはり自分で操作するMT車は通勤の道のりですらも楽しかった。
とくに夜遅く帰る時には必ず屋根をオープンにして走った。すると夜風と夜景がとても気持ちいい。そうしたロードスターならではの魅力を味わいつつ、特集取材にも同行した。
そこでは4WDターボのGRヤリスと乗り比べることができた。そもそもの出自も違い圧倒的なパフォーマンスで速さを極めたGRヤリスは楽しかったが、ロードスターはワインディングロードをそれなりに踏んで走っても安全な速度域で、かつ曲げるためにはしっかりとアクセルやブレーキペダルで荷重移動をコントロールすることが必要。しかもそのすべてが素直に反映されるから、面白い。速いクルマはいくらでもあるが、やはり運転技術を磨くには、こうしたクルマの存在が欠かせない。
それを再認識したところで、自分の運転がうまくなったかと言うとそれは別だが、あらためて運転スキルの重要さを身にしみて感じたところで、精進あるのみだ。