2024年のMotor Magazine誌&Webモーターマガジンでは多くの新型車を取材してきました。今回は、その中で我々スタッフも最新四駆の進化に驚きを隠せなかったMotor Magazine 2024年8月号の特集企画「四駆王」からアナザーストーリーを。2025年にデビュー55周年を迎えるスズキジムニーの歴史と魅力を、元ジムニー乗りの筆者が実体験を基に解説します(写真:永元秀和)。
災害時に役に立つのはやはり車高が高い4WD
一方でジムニーに乗っていてもその走破性を試す機会がないという人がほとんどだと思います。もちろん、ない方が良いのですが、ジムニーが災害時などに活躍できることは間違いなく、私も一度だけ移動中にゲリラ豪雨が直撃してしまったことがあり、身を持ってそのありがたさを実感しました。
その日は予報も当てにならないような豪雨によって、行く先の道路の冠水を目の当たりにしながら、回避しつつ移動しなければなりませんでした。ただ心の何処かでいざとなればジムニーだからなんとかなる。という謎の自信があり(災害時は情報をこまめに入れて適切な対処をしなければなりませんが)、実際には被害にあわずに脱出することができました。
ただ、この状況を経験して思わず同乗していた家族もジムニーに対しての信頼感が芽生えましたし、この経験からも「一家に一台ジムニーを!」と、言っても過言ではありません。
事実、日本でも地域によってはジムニーのパトロールカーが用意されていることもありますから、こうした災害時や悪路、雪道などの安心感はジムニーならではと言えるでしょう。
そしてそんな頑強さと走破性の高さを軽自動車の枠の中で実現したのは、やはり世界的に見ても唯一無二の存在です。それが多くのファンに長く愛されている理由のひとつでもあります。
今後、実用性の高い5ドア版が発売されればさらに人気が拡大することは間違いありません。2025年はジムニー生誕55周年ですから、特別仕様車などの登場も期待されます。「最小で最強の4WD」ジムニーの今後に注目しましょう。