「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マツダ アテンザだ。

6速MTとの相性も良い。もちろんATも悪くない

画像: 新型アテンザのしなやかな走りは、ワゴンでもまったくスポイルされていなかった。より短いホイールベースの恩恵もありそうだ。

新型アテンザのしなやかな走りは、ワゴンでもまったくスポイルされていなかった。より短いホイールベースの恩恵もありそうだ。

注目の6速MTは、クラッチ踏力とシフト時の重さ、シフトストロークなどが適切で扱いやすい。最近は面白みのないMT車が多くなっているとよくいわれるが、アテンザは積極的に変速を楽しみたくなる6速MT車だ。強大なトルクにも負けていないしギア比も適切だから、ディーゼルターボの持つポテンシャルを余すところなく引き出せる。

6速ATもいい。CX-5以上に滑らかな変速フィールで、アップダウンやタイトなコーナーが連続する山岳路でも優れたドライバビリティを見せつけてくれた。ドライバーの意図に忠実に反応することをテーマに見直された変速制御のおかげで、欲しい加速感を意のままにコントロールすることができる。

フットワークとハンドリングの正確さは、より軽量なガソリンエンジンを積むセダンと比べると一歩譲る印象だ。操舵レスポンス、軽やかさにおいてガソリンエンジンほどの切れ味はない。それでも、「意のままに操る」ことにこだわり、ステアリング操作に対するリアクション感度を「切る」時だけでなく「戻す」時のリニアさにこだわった開発者の狙いは、十分に感じられた。

気になるのは、ボディ剛性において不利と思えるワゴン。だがこちらも十分にスポーティだ。実は新型アテンザでは車体剛性向上のために、プラットフォームの一部に発泡充填剤を封入している。セダンはこれが1カ所だが、ワゴンは3カ所に配されており、セダンと同等のボディ剛性を確保しているという。

さらに、より短いホイールベースの恩恵もあるのだろう。新型アテンザのしなやかでダイレクトな走りの愉しさは、ワゴンスタイルでもまったくスポイルされていない。セダンとともに、新型アテンザの「世界観」を大きく広げてくれそうだ。

画像: コクピットは適度にタイトで、マツダらしいクルマと一体化したような奥行き感が心地良い。スイッチ類やペダルの配置にも、一体感と使いやすさを考えた工夫が凝らされている。

コクピットは適度にタイトで、マツダらしいクルマと一体化したような奥行き感が心地良い。スイッチ類やペダルの配置にも、一体感と使いやすさを考えた工夫が凝らされている。

マツダ アテンザ XD 主要諸元 ※<>内はワゴン

●全長×全幅×全高:4860×1840×1450mm<4800×1840×1480>
●ホイールベース:2830mm<2750>
●車両重量:1510kg(AT)/1490kg(MT)<1530(AT)/1510(MT)>
●エンジン:直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:2188cc
●最高出力:129kW(175ps)/4500rpm
●エンジン最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm
●トランスミッション:6速AT/6速MT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:軽油・62L
●JC08モード燃費:20.0km/L(AT)/22.4km/L(MT)<20.0(AT)/22.2(MT)>
●タイヤサイズ:225/45R19
●当時の車両価格(税込):290万円(AT)/302万6000円(MT)※セダン/ワゴンとも同価格

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