「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マツダ アテンザだ。

マツダ アテンザ(2012年:3代目フルモデルチェンジ)

画像: コンセプトカーの雄(TAKERI)のエッセンスをうまく量産モデルに落とし込んだ、セダンのエクステリア。

コンセプトカーの雄(TAKERI)のエッセンスをうまく量産モデルに落とし込んだ、セダンのエクステリア。

CX-5に搭載されて世間をアッと言わせた名機が、スカイアクティブ‐Dと呼ばれるSH-VPTS型 直4 DOHC直噴ディーゼルターボだ。排気量は2188ccで、ディーゼルエンジンでありながら14.0という驚異の低圧縮比を実現した。また、セラミックグロープラグと2000気圧のピエゾ式高圧インジェクターを採用して、低温始動性を向上させている。燃料噴射装置は電子式コモンレール、ターボは2ステージターボだ。世界中の厳しい排出ガス規制を乗り切ったこのディーゼルターボが、新しいアテンザにも搭載された。

最高出力は175ps、最大トルクは42.8kgm。トルク感は、4Lクラスのガソリンエンジンを凌ぐほど厚みがある。その静粛性はCX-5以上だ。アイドリング状態でもディーゼル特有のガラガラとする音が耳ざわりでない。振動も上手に抑えられている。

アクセルを踏み込んでも不快な音質ではない。ディーゼルとわかるのは、耳を澄まして聞き入ったときだだ。スピードを乗せ、クルージングに入ってしまうと静粛性はガソリンエンジンと同レベルだ。振動吸収性に優れたエンジンマウント、吸気系に伝わる振動を低減するラバーマウント、排気管から伝わる振動を抑制するフレキチューブなどの工夫に加え、キャビンに進入する騒音エネルギーを集中的に吸収する吸音材などを効果的に配し、NVH性能を大きく向上させた効果が、はっきりとわかる。

低回転域のトルク感は、2.5Lのガソリンエンジンを凌ぐほど強烈だ。ほんの少しアクセルを開けるだけで力強いトルクを発生してくれる。今回の試乗コースではかなり急勾配の登坂路もあったが、余裕たっぷりの豪快な加速が楽しめた。

画像: 175psと42.8kgmを発生するSKYACTIV-D 2.2。トルク感は4Lクラスのガソリンエンジンを凌ほどの厚みがある。

175psと42.8kgmを発生するSKYACTIV-D 2.2。トルク感は4Lクラスのガソリンエンジンを凌ほどの厚みがある。

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