2025年2月に大幅改良が発表されたボルボ XC90。フロントグリルやボンネットフードなどフロントマスクを中心に意匠変更し、またインテリアにおいてもユーザーインターフェイスを刷新するなど、デザインの近代化と上質感を高めてきたボルボのフラッグシップSUVだ。デザイン性の向上を第一義にしたという大幅改良だが、走行面で変化や進化はあるのか「ボルボ XC90 ウルトラ T8 AWD プラグインハイブリッド」に試乗して確認した。(写真:永元秀和/Motor Magazine 2025年5月号より)

乗る人すべてに快適な移動空間を

では、走行面はどう変わったのか。実はT8 AWDに搭載されるパワートレーンもエアサスペンションも2022年発売の後期モデルからキャリーオーバーしているもので、大きな変化はないという。

それでも、従来から採用されていたワンペダルドライブの快適性には改めて感動させられた。オートブレーキホールドからの発進、そして停車する瞬間のカックンという車体の揺れをまったく感じさせないのは見事というほかない。

画像: 大幅改良前のモデルから大きな変更はないというパワートレーン。それでも「段」をほとんど感じさせない加減速のスムーズさは格別。

大幅改良前のモデルから大きな変更はないというパワートレーン。それでも「段」をほとんど感じさせない加減速のスムーズさは格別。

動力系統に変更はないが、大幅改良でエンジンルームとキャビンを隔てるファイアウオールに遮音材を追加したり、ピラーに発泡材を充填したり、ラミネーテッドサイドウインドウを採用するなど、静粛性の強化が図られている。その効果は日常領域の走行中にも体感できるが、特に感じたのはトンネル内を渋滞しているときだ。

隣に並んでいるトラックやバスなどの大型車が発するエンジン音がずいぶん遠くの方で鳴っている・・・そんな印象だ。周辺の雑音をシャットアウトし、アクティブノイズコントロールでエンジンノイズを低減するなど、19スピーカー1410W出力を備えるバウワース&ウィルキンス オーディオシステム(XC90 ウルトラ T8に標準装備)の性能を活かした音響空間づくりに注力する、ボルボらしい改良ではないだろうか。

ボルボ XC90 ウルトラ T8 AWD プラグインハイブリッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4955×1960×1775mm
●ホイールベース:2985mm
●車両重量:2300kg
●エンジン:直4 DOHC ターボ+モーター×2
●総排気量:1968cc
●エンジン最高出力:233kW(317ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3000-5400rpm
●モーター最高出力:前52kW(71ps)、後107kW(145ps)
●モーター最大トルク:前165Nm(16.8kgm)/後309Nm(31.5kgm)
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●WLTCモード ハイブリッド燃費:13.3km/L
●EV走行換算距離(等価EVレンジ):73km
●タイヤサイズ:275/35R22
●車両価格(税込):1294万円

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