諦めない走りが呼んだ大逆転劇
その後レース中盤に差し掛かると、777号車と61号車は本来のスピードを活かし61号車、そして45号車を攻略。序盤の2台による優勝争いが期待されたが、777号車に左リアタイヤのパンクが発生。ピットインを強いられ、順位を落としてしまう。なお、このピットではドライバー交代も実施された。

昨年の富士でもトラブルに見舞われた777号車。緊急ピットインを行うも、上位で戦線に復帰。
トップに立った61号車は、2度目のピットストップ後に一時777号車の後ろにつくも、タイヤの状態やスティントの長さで優位を維持。一方、追われる777号車は残り12分を切ったところで急激にペースダウン。燃料不足により緊急ピットインを余儀なくされてしまった。

今季初優勝に向けてひた走る61号車。
トップに返り咲いた61号車は初優勝へ向けて独走。だが、2番手の6号車が猛烈な追い上げを見せ、トップとの差を詰めていく。ファイナルラップに入った時点では、両者の差は2秒。多くの観客がこのままゴールすると予想していた。
ところが、ヘアピンの立ち上がりで61号車が突如スローダウン。ボンネットから白煙を上げ、コース脇にマシンを止める事態に。残り半周でトップに立った6号車がそのまま走り切り、26台抜きという大逆転でチーム初勝利を飾った。

スタートからゴールまで全力で走り抜きた6号車。優勝だけを狙った熱い走りが奇跡を呼んだ。
2位は、トラブルから立て直した777号車。3位には7号車が入ったが、ピット作業違反によるペナルティで4位フィニッシュの2号車HYPER WATER INGING GR86 GTが繰り上がって表彰台を獲得した

劇的なレース展開で初優勝を飾った6号車。記憶にも残る記念すべき1勝となった。