2025年6月5日、ルノーのBセグメントSUV「キャプチャー」が大幅改良を受け、新たな装いとともに登場した。新エンブレムとともに顔つきを一新し、走りの質感も向上。パワートレーンには新たにマイルドハイブリッドが追加され、フルハイブリッドはさらに熟成が進んで「ちょうどいい輸入SUV」としての存在感をいっそう高めている。(撮影:平野 陽)
走って分かる熟成度。MHEVとフルHEVを比較試乗

今回の試乗コースは主にワインディングロードとなった。ハンドリングやコーナリング性能といった側面はどちらも極めてハイレベル。つまり決め手はパワートレーンとなってくるはずだ。
走りも印象的だった。まず試したのは、新たに加わった1.3L直噴ターボ+48Vマイルドハイブリッド(MHEV)モデル。走り出しの転がり感が軽やかで、中速域からの加速もスムーズ。従来型よりも明確に吹き上がりが良く、スポーツモード+パドル操作で軽快な走りも楽しめる。まさに「走らせたくなる」味付け。
足まわりには19インチタイヤが装着されるが、突き上げ感はなく、しっかりとしたダンピングで落ち着きのある乗り味を実現していた。コーナリング時の安定性も高く、ワインディングロードでは思いのほか懐の深さを感じさせる。キャプチャーの持つ「軽快で安定感のある走り」はさらに磨きがかかった印象だ。
一方、フルハイブリッド(HEV)モデルは改良によってスムーズさが格段に向上。かつてはエンジンの始動がやや唐突だったり違和感があったが、新型では完全に払拭されている。
モーター走行の比率も高まったようで、市街地では電動車らしい静粛性と滑らかさが印象に残る。高速域でもエンジン音は控えめで、走行フィールは一段と洗練された。
車両重量もこちらの方が重いというのも関係あるだろうが、乗り心地に関しては、HEVの方が落ち着きがありより上質な印象、ルノーらしいしっとりとした味わいも感じられた。