2025年10月15日、SUBARU(以下、スバル)はBEVであるソルテラの大幅改良を発表。エクステリアデザインからインテリアデザインを刷新しつつ、バッテリーやモーター、パワートレーン制御などあらゆる方面のブラッシュアップを図ってきた。実はこの発表が行われる少し前に新型ソルテラに触れることができたので、ここでは大幅改良の中身と、クローズドコースで試乗した印象を記していこう。(文:大谷達也)

バッテリー容量増、制御を新たにして走行可能距離は1.3倍

スバル ソルテラが生まれ変わった。

2021年11月に誕生したソルテラは発売直後から「スバルらしいBEV」として定評を得てきたが、今回、時代の変化にあわせて動力性能や走行可能距離、操縦性などをアップデート。さらに使い勝手や内外装のデザインも大幅にブラッシュアップして再デビューを果たしたのである。

なかでもBEVにとって重要な航続距離については、バッテリーセルを増やすなどして総電力容量を5%ほど拡大。さらにインバーターに用いる素子を従来のシリコンからシリコンカーバイドに変更することで損失を改善したほか、eアクスルのフリクションロスを低減した結果、航続距離は従来型の567kmから746kmへと大幅に拡大した(FWD/18インチモデル。以下、新型のスペックはいずれも開発目標値)。

また、マイナス10度という極低温下で150kWの急速充電器を用いた場合、従来型は10%から80%まで充電するのに60分を要していたが、新型はバッテリーの改良によりこれを55分へと短縮。さらにバッテリーを予熱するコンディショニング機能を用いればわずか30分で10%から80%まで充電できるという。ちなみに、30分という充電時間は25度の環境下と同じ数値。これでウインターシーズンにも安心して長距離ドライブに出かけられるようになったといえる。

動力性能はFWDモデルで150kW(204ps)から165kW(224ps)へと強化されたほか、4WDモデルでは160kW(218ps)から252kW(343ps)へと大幅にパワーアップ。これまで以上に俊敏な走りを可能としたほか、スロットルレスポンスやドライバビリティの改善にも注力したという。

画像: 新型ソルテラの全長4690×全幅1860mmというボディサイズはスバル フォレスター(同4655×1830mm)に近い。

新型ソルテラの全長4690×全幅1860mmというボディサイズはスバル フォレスター(同4655×1830mm)に近い。

さらに4WDモデルでは、アクセルペダルの踏み込み量から前後タイヤにかかる動荷重(入力の大きさや方向が、時間の経過とともに変化する荷重のこと)を予測して加速性能を最適化する制御方式を盛り込んだほか、操舵角から車両にかかる横Gを推定して駆動力を制御する機能も搭載している。ドライバーの意思を素早く読み取ることで、思いどおりに操れるパワートレーンに仕上がったと主張する。

今回は従来型と新型(プロトタイプ)の4WDモデルを群馬サイクルスポーツセンターで比較試乗する機会があったので、その印象をリポートしよう。

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