新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介していこう。今回は、7代目のトヨタ・カローラレビンだ。

スーパーチャージャーで絶対的速さを、自然給気で気持ち良さを訴求

「トヨタ・カローラレビン(AE101型:1991年6月発売)」

画像: スーパーチャージャー装着のGTーZはボンネット上にエアスクープが備わる。

スーパーチャージャー装着のGTーZはボンネット上にエアスクープが備わる。

カローラのスポーツクーペ、レビンは1987年に登場した6代目のAE92型からFF化され、FRの優位性を失ったがスーパーチャージャー(S/C)で145psを発せするGT-Zを投入。89年には165psまでパワーアップして、レビンの名に恥じない健在ぶりをアピールした。

画像: S/C仕様の4A-GZE型は16バルブのままだが先代+5psの170psまでチューンされた。低速から効くS/Cは峠で威力を発揮した。

S/C仕様の4A-GZE型は16バルブのままだが先代+5psの170psまでチューンされた。低速から効くS/Cは峠で威力を発揮した。

1991年に登場した7代目のAE101型は、トップグレードに170psにパワーアップしたGT-Zをラインアップするものの、自然給気(NA)でホンダVTECと同じ160psを得るため、4A-GE型を1気筒あたり5バルブ(吸気3・排気2)の20バルブ化を図り、また4連スロットルも採用された。これで、峠ではS/Cエンジンを積むGTZ、レースにはNAのGTという棲み分けが可能になった。

GT-Zは新開発のスーパーストラットサスペンションとビスカスLSDを標準装備し、荒れた路面でも確実なトラクションが得られ、高い限界性能を示すなど、峠アタック向きと思われた。しかし車重が先代より80kgも重くなり、軽快感に欠けるとの声も多かった。

画像: GT-ZはMOMO製ステアリング&シフトノブが標準装備。高品質な音響性能を誇るスーパーサウンドシステムも標準装備となる。

GT-ZはMOMO製ステアリング&シフトノブが標準装備。高品質な音響性能を誇るスーパーサウンドシステムも標準装備となる。

それゆえ8代目のAE111型はS/Cモデルを廃止。出力を165psに上げた20バルブ4A-G型を積むBZ-Gを頂点に置き、AE101型より70kgの軽量化を図って軽快な操縦性を狙った。

だがクーペやスペシャルティカーの人気凋落のため、200年8月のフルモデルチェンジでレビンはカローラのラインアップから消えることになる。

画像: こちらはレビンの姉妹車、トレノのNAモデル。アッパーグリルのない顔つきが独特だった。

こちらはレビンの姉妹車、トレノのNAモデル。アッパーグリルのない顔つきが独特だった。

カローラレビン GTーZ(1991年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4275×1695×1305mm
●ホイールベース:2465mm
●重量:1150kg
●エンジン型式・種類:4A-GZE型・直4 DOHCスーパーチャージャー
●排気量:1587cc
●最高出力:170ps/6400rpm
●最大トルク:21.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/55R15
●価格:202万7000円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

This article is a sponsored article by
''.