いよいよ「令和」の時代が始まったが、「平成」の時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介しておこう。今回は、最後のランエボ、ランサーエボリューションXだ。(ホリデーオート2019年4月号より)

最新のパワートレーンなどを搭載し、ランエボ史上最強を誇ったハイテクマシン

「三菱 ランサーエボリューションX(CZ4A型:2007年10月発売)」

画像: 同時期のライバル、インプレッサWRX STI(GRB型)と比べても、サイズはひとまわり大きい。

同時期のライバル、インプレッサWRX STI(GRB型)と比べても、サイズはひとまわり大きい。

最後のランエボとなったランサーエボリューションXは、ベース車がランサーからギャランフォルティスになった。ボディサイズはエボⅨ(MR/セダンGSR)比で全長+5mm、全幅+40mm、全高+40mm、ホイールベース+25mm、前後トレッドは+30mm、それぞれ大きくなった。

画像: ベース車がギャランフォルティスに替わり、リアビューの雰囲気もまったく変わった。

ベース車がギャランフォルティスに替わり、リアビューの雰囲気もまったく変わった。

最も大きく変わったのは、エンジンとトランスミッションだ。エンジンは長きにわたって使われてきた4G63型から、アルミダイキャスト製シリンダーブロックやヘッドカバーを採用した新開発の4B11型に変更された。

ちなみに、2008年(平成20年)10月のマイナーチェンジで最高出力は280psから300psに引き上げられている。さらにエキゾーストマニホールドを車体後方に配置した後方排気レイアウトとすることで、低重心化も図られている。

画像: 4G63型から換装された4B11型MIVECツインスクロールターボ。4G63型に対し大幅なレスポンスの向上が図られている。

4G63型から換装された4B11型MIVECツインスクロールターボ。4G63型に対し大幅なレスポンスの向上が図られている。

トランスミッションは全ギアでダブルシンクロ機構を採用してスムーズなシフトフィールを実現した5速MTに加えて、パドルシフト付き2ペダルの6速DCT「TC-SST(ツインクラッチ・スポーツシフト・トランスミッション)」も設定された。

画像: シンプルな上面形状を持つアーチ状フォルムのインパネは、運転時の集中力を高めるコンセントレーションがテーマ。

シンプルな上面形状を持つアーチ状フォルムのインパネは、運転時の集中力を高めるコンセントレーションがテーマ。

4輪制御技術は、従来からランエボに採用されていたACD、AYC、スポーツABSに加えてASCを追加。さらに4WDシステムはS-AWCとすることで、ランエボ史上最高レベルの運動性能を実現している。

画像: 2015年8月に1000台限定販売されたファイナルエディションは313ps/429Nmの強心臓を搭載。価格は429万8400円だった。

2015年8月に1000台限定販売されたファイナルエディションは313ps/429Nmの強心臓を搭載。価格は429万8400円だった。

ランサーエボリューションX GSR(2007年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4495×1810×1480mm
●ホイールベース:2650mm
●重量:1520kg
●エンジン型式・種類:4B11型・直4 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:43.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:245/40R18
●価格:349万5450円

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