1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。第3回は初代ゴルフに追加されたホットモデル、GTIについて語ろう。

おそらく高性能仕様を開発すること自体は難しいことではなく、ただマーケティングやコストの問題として、チューニングをどの程度の塩梅にするかというのが、見極めとして重要なことだった。そのためカレーショップの辛さレベルのごとく、6段階程度のチューニングの試作車がつくられ、どれが適切かを見定めたという。

市販型のGTIは、直列4気筒1.6LエンジンにボッシュKジェトロニックを搭載して、110psを発生した。これは最新の8代目GTI(245ps!)の半分にも満たないが、当時としてはかなり高出力で、車重も820kgと軽かった。このエンジンは、ひとまわり大きいアウディ80のGTEに先に搭載されている。1.6LのKジェトロニック仕様はノーマルのゴルフにも搭載されたが、そちらは82psである。ちなみにゴルフのデビュー時は、1.1Lの50psと1.5Lの70psで、それが標準的だった。

ボッシュKジェトロニックは電子制御ではなく機械式燃料噴射で、インジェクションとしては初期のものであるが、とにかく車名にするくらい画期的なことだった。高性能車の紋章であるDOHCではなかったが、当時はOHVもまだ多かったから、SOHCでも上等だった。「2バレルのウエーバー キャブレターで武装」などとはならず、無用に熱すぎないクールで現代的な高性能が、ドイツ発のゴルフGTIの成功要因といえるかもしれない。

1975年9月のフランクフルト モーターショーで、GTIはお披露目された。ただこのときは参考出品の扱いで、1万5000マルク以下という価格がアナウンスされた。ここでの反響を受けて、自信を持って翌1976年6月に市販化を迎えた。価格はライバルを大きく下回る1万3850マルク(当時のレートで約166万円)であった。

画像: ゴルフ1の後期モデルはテールランプが大型化された。これは1983年発売の限定モデル、ゴルフ GTIピレリ。

ゴルフ1の後期モデルはテールランプが大型化された。これは1983年発売の限定モデル、ゴルフ GTIピレリ。

This article is a sponsored article by
''.