気が付かないうちにドライバーをサポートするT8の機能
スタート地点は市街地のためドライ路面となった。ここでは完全モーター走行となる「ピュア」モードと「ハイブリッド」モードを切り替えつつ走る。実際のところ、どちらのモードでも大きく印象が変わらない。エンジンが始動したとしても室内の静粛性は高く、よほどの急加速をしない限りエンジン(ICE)の稼働を強く意識することは少ないだろう。
スタッドレスタイヤを履いているためもあり、ゴロゴロとした感触は室内に伝わるが、乗り味自体は、しなやかさを感じさせる。全体に柔らかだが、路面の継ぎ目などではしっかりとショックアブソーバーの減衰が効いている感じで収まりがいい。
ホイールベースが2940mmと長いために、ピッチングも少なくフラットな乗り心地にまとめられている。サスペンションは、フロントはダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンク。この方式はストラット式などに比べて一般的にストローク量は少なくならざるを得ないが、サスペンション自体の動きの良さがそれを十分に補完しているのだろう。
八甲田山中に入り、雪がところどころに顔を出してからは「コンスタントAWD」モードを選択する。シャーベット路面に出くわすと、どうしても緊張感を強いられる。いくら4WDで高トラクションがあろうとも、慣性の法則からは逃れられない。
ましてや、2トン近い車重があると想像すると慎重になってくる。ただ、そのような場面で意識的に舵角を大きくしてアクセルペダルを多めに踏み込んでみても緩やかにフロントがやや外に逃げ、リアのモーターが押すことによってドライバーのミスをカバーしてくれる。この辺がプロペラシャフトやセンターデフを持たず、前後の駆動力を別々に制御できるT8のメリットを感じさせるところだ。