フェラーリのFR、2+2クーペ、RHTである「ポルトフィーノM」は、従来のポルトフィーノからパフォーマンスが引き上げられるなど進化を遂げている。(Motor Magazine2021年7月号より)

V8ユニット搭載の最後のミッドフェラーリF8を試乗

ローマにポルトフィーノM、このところ新車攻勢が活発化しているフェラーリだが、日本市場向けのニューモデルも数多く登場している。とくにブランド初のハイブリッドモデルとなるSFストラダーレ/スパイダーの来日が熱望されるが、本格的な導入にはもう少し時間がかかりそうだ。そんな中、最新のF8スパイダー/トリブートを公道でテストした。

フェラーリはF8トリブートのことを「ミッドリアエンジン2シーターベルリネッタのエクセレンスを称える、フェラーリ史上最強のV8オマージュモデル」と表現している。

「ミッドリアエンジン」とはフロントミッドシップと対を成すフェラーリ特有の言い回し。ベルリネッタはイタリア語でクーペの意味だ。つまり、「F8トリブートはフェラーリミッドシップV8の最後を飾るモデル」と解釈できることになる。

画像: F8スパイダー。スパイダー、トリブートと、矢継ぎ早に日本への導入が続いた新しいフェラーリ V8ミッドシップ「F8」。

F8スパイダー。スパイダー、トリブートと、矢継ぎ早に日本への導入が続いた新しいフェラーリ V8ミッドシップ「F8」。

F8の魅力はなんといってもそのエンジンにある。3.9L V8ターボは720psを発揮。リッターあたりの出力は185psで、これはフェラーリ製内燃機関として史上最高の値だという。また、フェラーリが近年好んで使うゼロターボラグも達成。レスポンスの良さも売り物のひとつだ。

同じフェラーリでも、自然吸気のV12エンジンに比べて音程は低め。ずしんと腹の底に響く重いサウンドは、同じV8でもアメリカ製とはまったく異なる。音ににごりがなく、そして洗練されている。

前作488に対してエアロダイナミクスの効率も、さらに向上している。FDE(フェラーリ ダイナミック エンハンサー)を組み込んだサイドスリップ コントロール(Ver6.1)を搭載。限界領域でも自信を持ってドライブできるコントロール性を得た。ステアリングホイールから伝わる安心感が素晴らしい。F8は488より格段に安心感が強い。(文:大谷達也/写真:井上雅行)

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