エンジンの始動や動力補助を行うマイルドハイブリッド(48Vハイブリッド)を採用し、電動化を一気に進めてきたボルボ。今回は「B4/B5/B6」という3つのパワートレーンを搭載する3モデルに試乗して、それぞれの特徴とどんな違いがあるのかを検証してみた。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2021年1月号より)

B4/B5/B6の3機種それぞれの持ち味を検証

各モデルに搭載されるエンジンは2L直列4気筒で、同じエンジンながら最高出力と最大トルクが異なる3タイプ(B4、B5、B6)を設定する。B4とB5はインタークーラー付きターボチャージャーを組み合わせ、高出力モデルのB6はこれに加えて電動スーパーチャージャーを備える。

それぞれの最高出力と最大トルクは、B4が145kW(197ps)/4800-5400rpmと300Nm/1500-4200rpm。B5が184kW(250ps)/5400-5700rpmと350Nm/1800-4800rpm。B6が220kW(300ps)/5400rpmと420Nm/2100-4800rpmとなっている。

今回試乗した48Vハイブリッド車は、XC40 B4 AWD インスクリプション、V60 B5 Rデザイン、そしてXC60 B6 AWD Rデザインの3車種。基本のハードは同じなのにインプレッションはそれぞれの持ち味が興味深かった。

画像: B6は2L直4エンジンにターボと電動スーパーチャージャーを搭載。これに48Vハイブリッドシステムを組み合わせる。

B6は2L直4エンジンにターボと電動スーパーチャージャーを搭載。これに48Vハイブリッドシステムを組み合わせる。

今回、一番車両重量が重かったのはXC60の1940kgだったが、B6はパワーとトルク感が強いのが印象的だった。低速走行でアクセルペダルをオフにしている状態から急に床まで踏み込むと、ガツンというショックを伴うほど強烈なトルクが立ち上がる。これはちょっと乱暴なチェックだったが、B6のトルクの強さを見せつけられた感じだ。このトルクはターボチャージャーに加えて、低回転域でのレスポンスに優れる電動スーパーチャージャーをB6にだけ装着することで引き出している。

加速感を感じながらアクセルペダルをジワッと踏み込んでいくとトルクのつながりがスムーズできれいな加速ができる。まあこれが通常のドライビングなのだが、エンジンに力があるので、そのぶん、アクセルワークをスムーズに行う必要があるのがB6だ。重量が重いのに軽快に走れて気持ちいい。

その点ではXC40 B4はアクセルペダルの踏み方を気にせず一番スムーズに走れた。エンジンのパワーとトルクが3タイプのパワートレーン中では一番小さいものの、急にアクセル全開にした場合でも、そのあとに湧き出すトルクがそこそこなので加速感の段差が大きすぎないのがいい。

エンジンパワーは控え目でも、この車重(1750kg)には十分な力がある。アクセルペダルの踏み始めのところはISGMがカバーしてくれ、ターボチャージャーが立ち上がる前に電気モーターが後押ししてくれるのを感じる。この裏方のおかげで、アクセルペダルに遅れなくスムーズに加速できる。

ちなみに48Vハイブリッドは、エンジンに負荷がかかっていない時は気筒休止(1番と4番シリンダー)するが、これは注意していてもわからないほど自然に働く。さて、B6とB4の中間のB5はどうか、V60 B5で試してみた。

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