URACCO(ウラッコ:1970〜1979)
ランボルギーニは、ミウラやカウンタックといったV12搭載モデルよりもひとつ下、より実用的なモデルの開発を始める。「ベビー・ランボ」と呼ばれたこのモデルのターゲットは、当時北米で人気を集めていたポルシェ 911だった。
1970年のトリノ モーターショーで発表され、1973年にようやく発売された初のベビー・ランボが「ウラッコ」だ。車体の設計はスタンツァーニ、ボディのデザインはガンディーニが手がけた。
220psを発生する2.5LのV8 SOHCを横置きミッドに搭載して、2+2としたのもウラッコの特徴だった。エクステリアでは、当時のスーパーカーのお約束であるリトラクタブル式ヘッドランプや、リアピラー根元のエラのようなエアインテークが目をひいた。公称の最高速度は、240km/hに達している。
日本でも1974年当時のポルシェ 911S(805万円)に対抗する車両価格(808万円)で販売されたが、世界的にも911を凌駕することはできなかった。排気量を3Lにアップしたり、いくつかのバリエーションが存在するが、780台を生産して1979年にフェードアウトする。
SILHOUETTE(シルエット:1976〜1979)
ウラッコの販売が伸び悩む北米市場でのテコ入れのために、ランボルギーニは1976年のジュネーブ モーターショーで、オープン2シーターの「シルエット」を発表した。今回のターゲットは、「スモール フェラーリ」と呼ばれた308、そのタルガトップ版であるGTSだ。
ウラッコをベースに前後オーバーフェンダーやエアロパーツを装着し、ピレリP7タイヤを履かせたスタイルは、ウラッコよりかなり迫力を増していた。スタイリングはベルトーネが手がけ、FRP製のルーフを外せば308GTS同様のタルガトップとなった。
エンジンは、ウラッコの最終型P300用の3L V8 DOHCを260psにパワーアップしたものを横置きミッドシップ。公称の最高速度は250km/h、0→100km/h加速は6.5秒とされていた。
スタイリングも性能もブラッシュアップされたシルエットだったが、当時の日本でも308GTS(1230万円)より高い車両価格(1350万円)などの問題もあり、世界的にもウラッコ同様に販売は低迷。1979年に生産終了するまでの台数は、わずか55台にとどまっている。