2021年12月22日、8代目となる新型ゴルフGTIが日本に上陸した。1976年に初代モデルが誕生して以来、ゴルフGTIはホットハッチの代名詞として世界的に人気を集めてきたが、その伝説はどのように生まれ、受け継がれてきたのか。その系譜を振り返ってみよう。

4代目ゴルフ GTI「歴代でもっとも落ち着いたスタイルを採用」

1998年には、4代目ゴルフ GTIが登場する。4代目GTIは「より上質かつスポーティ」であることを目指したモデルだったが、ファンからは「歴代GTIの中でもっとも控えめなスタイリング」と言われている。たしかにラジエーターグリルに赤のアクセントもなく、ブラックのオーバーフェンダーも見当たらず、シートのタータンチェック柄も控えめなものだった。

1.8Lエンジンは当初の最高出力は110psだったが、GTIとしては初めてターボチャージャーを装着して150psにパワーアップ。2001年に登場した25周年を祝う特別仕様車の2.5L 直列5気筒ターボエンジン仕様は180psを誇った。

歴代GTIの中でもっとも控えめなスタイリングと言われるが、機敏で質の高い走りやATの積極的な採用など、GTIをより身近に楽しめるモデルでもあった。

4代目ゴルフGTIの内外装はやや大人しくなったが、その一方で、この世代の終了間際にゴルフ史上最強にして最速、そしてもっとも高価なゴルフ「R32」が誕生して大成功を収めたことは、GTIにとってもエポックメイキングな出来事だった。

フォルクスワーゲンは当初R32の登場に慎重で、まずは5000台の限定生産としてスタートしたが、GTIとはまた異なるその価値観は大きな反響を呼び、結局、1万4000台もの台数が出荷された。V6エンジンと4WDシステムを搭載したゴルフR32は、GTIとは異なるスポーツの方向性を示していた。そして、このモデルの成功により、GTIは次の世代で「よりGTIらしく」進化できることになるのだった。

画像: 1998年に登場した4代目ゴルフGTI。3代目で示された「より上質かつスポーティ」な方向に煮詰められた。

1998年に登場した4代目ゴルフGTI。3代目で示された「より上質かつスポーティ」な方向に煮詰められた。

画像: 4代目ゴルフGTI。ヘッドライトはクリア、バンパーやモールはボディ同色、赤いラインは見当たらない。

4代目ゴルフGTI。ヘッドライトはクリア、バンパーやモールはボディ同色、赤いラインは見当たらない。

●4代目ゴルフ GTI

エンジン:直列4気筒-直列5気筒ターボ
エンジン排気量:1896-2324cc
最高出力:110-180ps
最高速:193-222km/h

5代目ゴルフ GTI「キャッチコピーは GTI is back」

5代目ゴルフ GTIのコンセプトカーは、2003年9月のフランクフルトモーターショーに「GTI is back」というキャッチコピーとともに登場。翌2004年9月のパリサロンで量産仕様を公開し、11月に販売が開始された。

フォルクスワーゲン初のガソリン直噴ターボと、新世代ギアボックス6速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)を採用。ラジエーターグリルの赤いアクセントやタータンチェック柄のスポーツシートなど、かつての「GTIのアイコン」も復活した。

新しい2L直噴ガソリンターボエンジンは最高出力200psを発生。最高速度は235km/hに達し、方向転換が見られていたGTIのコンセプトは再び軌道修正、「あの頃(=初代〜2代目)の走りが復活した」と人気を集めた。

2006年に登場した30周年記念車は最高出力230psを発生。2007年には、初代で登場していた「GTI ピレリ」が復活したことも話題となった。

画像: 2004年に登場した5代目ゴルフGTI。3代目、4代目でやや路線変更が見られたGTIコンセプトは、再び原点回帰したかのようだった。

2004年に登場した5代目ゴルフGTI。3代目、4代目でやや路線変更が見られたGTIコンセプトは、再び原点回帰したかのようだった。

画像: 5代目ゴルフGTI。ハニカムのラジエーターグリルにあの赤いラインが帰ってきた。

5代目ゴルフGTI。ハニカムのラジエーターグリルにあの赤いラインが帰ってきた。

●5代目ゴルフ GTI

エンジン:直列4気筒ターボ
エンジン排気量:1984cc
最高出力:200-230ps
最高速:233-245km/h

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