2021年も魅力的なニューモデルが日本に導入された。それを振り返りながら、2022年に登場を控える輸入車について、本誌筆者陣(飯田裕子、島下泰久、渡辺敏史)と千葉編集長が語り合った。(Motor Magazine 2022年2月号より)

飯田「コルベットは乗った瞬間に大事件だと思いました」

千葉 レクサス NXやメルセデス Cクラスの音声認識は、凄くいいんですよね。でもゴルフはまだそれに追い付いていないですね。

渡辺 経験値なんでしょうね。最初に搭載したAクラスから2〜3年で使えるようになった。操作が増える一方だからスイッチを配置できない。それをMBUXでちゃんと育ててきているのはさすがメルセデスです。

千葉 メルセデスを購入する価値のひとつはMBUXですね。メルセデスの話題になったので新型Cクラスについてお聞きします。

渡辺 オプションの18インチホイールを履いたAMGスポーツサスペンションのC200しか乗っていませんが、この組み合わせはないなと思いました。ただスポーティに走りたい人はOKなのかな。

飯田 私は好印象です。コーナーでは良く曲がるし、フラットな印象でした。後席に座った編集の人も乗り心地は悪くないとおっしゃっていました。

千葉 リアアクスルステアリングがあるからぐいぐい曲がると感じますね。それとC220dは凄くいいなと感じました。

島下 Sクラスから変わっていて、Cクラスでもやりたいことは一緒だなと。彼らはMBUXも含めどんどん変わってひと所に留まらない。Sクラスが売れている中国では先進的なイメージがあるようで、グローバルでは新しいユーザーに響いているんでしょう。でもC220dみたいな緩い世界があって、両方持てる車体も立派だと思います。僕は断然C220dが欲しいけど、18インチに乗ってもメルセデスじゃないとは思わない。彼らの今のあり方からするとこれもありですよ。

千葉 Sクラスも2021年でした。

渡辺 Sは別格だなと思います。

島下 Sはため息だけですね。何がいいじゃなくて、どこも素晴らしい。

千葉 AMG EQSはどうですか。

島下 2021年のIAA取材時に乗りましたが、めっちゃメルセデスでしたよ。一般道で乗っているぶんには超絶に乗り心地が良く、静かで究極のSクラスでした。

画像: ポルシェ 911 シリーズ。911シリーズはGT3、カレラGTSを導入し、GTSには待望の7速MTが登場。

ポルシェ 911 シリーズ。911シリーズはGT3、カレラGTSを導入し、GTSには待望の7速MTが登場。

千葉 ではポルシェにいきましょうか。

渡辺 718のGTS4.0はパフォーマンスも含め、我々が共感できて憧れられるギリギリの線がこれなのかなと感じました。このエンジンで911の6速MTを作って!と思う。それが出たら心置きなく内燃機関終活のための1台になりそうな気がします(笑)。

千葉 911系の印象はいかがですか。

渡辺 タルガはカタチがいいので、ファッショナブルに乗りたい人にオススメできるのかなと思います。911はどんなもんや、という人にはクーペやカブリオレが向いている気がします。

千葉 やっと7速MTが出ましたけど。

島下 GTS、良かったですよ。ターボよりやっぱりNAと思っていましたが、これならいいなと感じました。

渡辺 GTSは、基本的にはベストパッケージな感じがするので、それが「マニュアル」で乗れるのはうれしいですね。

島下 パナメーラのGTSは同じV8ツインターボなのにターボよりパワーが抑えてある。狙いは何かと思ったら、乗るとかつての自然吸気の最高峰のように使い切れそうなパワー感で、位置付けがピシッと収まって納得しました。911カレラGTSもこれと同じように感じました。エンジンの吹け上がり感とか、ドライビングを楽しむためのクルマで、僕らが911はこうだといいなと思うものになっている。エンジンにちゃんと表情の移ろいがあって、上までしっかり回るし、下でターボの嫌な感じもまったくない。欲しいけど1800万円ですからね。

渡辺 MTを買おうとしたら、これかGT3しかない。

島下 本国でもないですね。Sで7速MTがありますが。

飯田 911ターボと718のGTS4.0に乗りましたが、内燃機関の面白さだったり豊かさだったり、これほど楽しませてくれるスポーツカーがあるのかと思いました。私は元々911ターボが大好きなので、自分を任せられますという感じ。ポルシェの魅力を詰め込んで、一緒に走らせてもらっている。ポルシェらしさを感じました。

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