2021年の輸入車市場もSUVカテゴリーが活気づいていた。ライフスタイルの変化を見据えた魅力的な新型車やマイナーチェンジモデルの投入が相次ぎ、どのタイミングで購入したら良いのか迷う。この勢いは2022年も続きそうだ。(Motor Magazine2022年2月号より)

目をひいたアウディの猛攻。ラインアップ強化で先行か

2021年を振り返ると、やはりSUV関連のニュースが中心だった。中でも国産車はSUV一色で、それに比べれば輸入車はそうでもなかったかなといった印象もあるのだが、今回の特集を見るとやはり、世の中はSUV中心に回っていたのだと改めて思う。

もっとも、BEVを除くとマイナーチェンジによる熟成やバリエーションの追加が大半で、全面的に刷新された車種があるもののキープコンセプト色が強かったりなどと、個人的には目新しさを感じさせる大物の登場は少なかった気がしなくもない。

その中でも注目したのが、ランドローバーのディフェンダーである。2020年4月に日本初上陸をはたした同車(標準ボディ=110)は大きな話題となり、翌2021年にはディーゼルエンジン搭載車とショートボディ(90)が追加された。

まず標準ボディの110に追加された3Lの直列6気筒ディーゼルターボ。最新の技術を注ぎ込んだという新世代のディーゼルエンジンらしく、音や振動がよく抑えられている。最高出力は既存の2L直4ガソリンターボと同じ300psながら、最大トルクは250Nmも大きな650Nmとなり圧倒的に力強い。48VのMHEVが効いて出足が軽やかだ。

一方の、110に対して全長が435mmも短縮された「90」は、デザイン性の高さが命。ドアが2枚で荷室も狭く、ピッチングもやや増えてコーナーでの安定性もそれなり。使い勝手や走りの面では110に比べると制約はあるものの、このプロポーションこそ「意図したデザイン」とデザイナーも語っているとおり。持ち前のユニークさをさらに際立たせた容姿はインパクト満点だ。もっとも納車に時間を要す状況は当面続きそう。興味のある方は早めに行動を起こすのが賢明だ。

ドイツのプレミアム勢で、もっとも活発な動きがあったのはアウディだ。2021年7月には、アウディQ5にスポーツバックが追加された。現実的な価格帯の魅力的なSUVクーペの選択肢がさらに増えたことをまずは歓迎したい。

スポーツバックではないQ5も、ひと足早く2021年3月にマイナーチェンジを実施。Qモデルの個性をより強調したシャープな外観へとリフレッシュしたほか、12VのMHEVを搭載し、最新のインフォテインメントシステムを搭載した。前述のスポーツバックも内容的にはこれに準じる。

それに先立ち、同年2月にはデビュー以来ずっと4年連続でQモデルの最量販車種となっているQ2もマイナーチェンジしている。ユニークなアップルグリーンなど5つのボディカラーを新設定したほか、特徴的なカラーラインナップを一新するなど、Q2らしい「色の魅力」をさらに引き出す変更を実施した。人気オプションをより買い求めやすくなるようパッケージ化したのも新しい。

ポルシェはカイエンクーペにPHEVを加えた。ただでさえ流麗なカイエンをさらに伸びやかにしたようなスタイリングを採用したカイエンクーペは、どちらかというとパナメーラの地上高を上げたような佇まいが印象的だ。これに「カイエン Eハイブリッド」の改良版と同じく容量を14.1kWhから17.9kWhに増やしたバッテリーを搭載して、EV走行が可能な距離を従来比30%増の最大48kmまで引き上げた。

画像: アウディQ5スポーツバック/SQ5スポーツバック。2021年7月に日本でも発売が始まったQ5のクーペ版。Q5比で15mm長くなり全高は5mm低くなったが、乗員の後席スペースはほぼ同じ。荷室容量も510L(最大1480L)と実用性が犠牲になってはいない。40TDIクワトロに搭載されるエンジンはMHEV化された2L直4ディーゼルで、スポーティグレードのSQ5には、3LのV6ターボが搭載される。

アウディQ5スポーツバック/SQ5スポーツバック。2021年7月に日本でも発売が始まったQ5のクーペ版。Q5比で15mm長くなり全高は5mm低くなったが、乗員の後席スペースはほぼ同じ。荷室容量も510L(最大1480L)と実用性が犠牲になってはいない。40TDIクワトロに搭載されるエンジンはMHEV化された2L直4ディーゼルで、スポーティグレードのSQ5には、3LのV6ターボが搭載される。

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