「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スバル WRX STI S206だ。

しなやかな走りを狙いビルシュタインを装着

画像: ビルシュタイン製のダンパーを採用し、しなやかな走りは極低速から超高速域まで楽しむことができる。

ビルシュタイン製のダンパーを採用し、しなやかな走りは極低速から超高速域まで楽しむことができる。

サスペンションには、インプレッサ系コンプリートモデルでは22B以来のビルシュタイン製ダンパーが採用された。その理由としては、やはりしなやかさがあるからだという。

もちろん減衰力は専用にチューニングされ、コイルスプリングも専用のものだ。他にフレキシブルタワーバー、フレキシブルロースティフナー、フレキシブルサポートリアなどが付く。重要なことは、それらの技術とビルシュタインダンパーの組み合わせが絶妙であること。セダンをベースとしたことによる剛性アップと数kgの軽量化もしなやかな減衰の実現に貢献しているようだ。

ウエットコンディションのクローズドコースで、かなり速度を高めても、S206驚くほど安定している。まるで路面に吸いついているかのようなオンザレールの走りを見せるのだ。しかも、極低速からこの超高速域までステアリングを切り始めた時にハンドルから伝わるしなやかさは同じ。裏を返せば、ゆっくり走っていてもスポーティな感覚が味わえる。

速度が上がればもうひとつ重要になるのがブレーキ性能。ブレンボ製のフロント6ポッド、リア4ポッドのブレーキシステムには今回ドリルドローターが採用され、ルックスもとてもレーシーになった。

ウエット路面では最初、ちょっと踏み込んだだけで予想以上に効く感じだった。しかし、走り込んでローター温度が上がるに従って、コントロール性の良いタッチで不安なくスピードコントロールができた。冷間時の初期制動は強めで、街乗りでの安全性を重視すればそれも良いが、この部分だけはまだ熟成が必要なように思う。

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