▼▼▼森山未來氏が登場した新世代プジョー408発表会の模様はこちら▼▼▼
過去の「400シリーズ」とは別の新種と謳っているが・・・
プジョーの「400シリーズ」というと、1980年代後半から21世紀初頭に日本でも人気を集めた中核モデル、405〜406〜407といったスポーティセダン(ワゴンやクーペもラインナップされていたが)を思い出すのは、ちょっと年配のクルマ好きかもしれない。だがプジョーでは、この408は過去の400シリーズとはまったく別の「新種」と謳っている。
たしかに、そのスタイリングは普通のセダンともクーペともワゴンとも、そしてSUVとも違う、独特のものだ。まさに、本来の意味での「クロスオーバー」的なモデルだ。だが、短時間の試乗でも実際に走らせてみると、プジョーの血脈ともいえる「走りの良さや楽しさ」は受け継がれている。21世紀も20年を過ぎた今、これがスポーティセダンの進化系なのかもしれない。
まずは、そのスタイルをあらためて見てみよう。ロングルーフの5ドア ファストバックというのは、いままでのプジョー車にはないボディタイプだ。全長は4.7m、全幅も1.85mと、Cセグメントとしては大きな部類に属する。SUVほどヘビーデューティなイメージではないが、大径タイヤでロードクリアランスを170mmもとり、それでも全高は立体駐車場をクリアする1.5mにおさえている。
ルーフにまでプレスラインの入るエッジの効いたボディデザインは、「クールビューティ」と形容できるだろうか。フレームレスのフロントグリルはボディカラーとコーディネートされ、ライオンの牙をモチーフにしたデイタイムランニングランプはターンシグナルとのダブルファンクション、テールランプもライオンの爪をモチーフにした3本のLEDと、ディテールにも凝っている。
インテリアは、基本的には308のものをベースにしているが、最近のプジョー車に共通のiコクピットはメーターパネルが3D表示になり、センターダッシュには10インチのタッチスクリーンも備え、もはやセグメントを超えたクオリティの高さを感じさせてくれる。
思った以上に重厚な走りっぷりのハイブリッド
試乗車は、プラグインハイブリッド車(以下、PHEV)の408 GTハイブリッド。ただし、今回は試乗会の最後のワクのため充電時間などの制約から、モーターのみでEV走行ができるほどバッテリーが充電できなかったことをお断りしておく。
小径ステアリングホイールの上からメーターを見る独特のポジションも、けっこう慣れた。ドライブモードはハイブリッドで、スイッチ式のシフトをDに入れてスタート。プジョーのPHEVはエンジンとトランスミッションの間にモーターを挟む1モーターのパラレルハイブリッドで、走行中は減速時の回生で充電したり、エンジン走行時に発電したモーターがアシストする。
それでも、1.6Lターボは単体でも180psを発生するし、少しアクセルペダルを踏み込めばモーターのアシストが入るから、その加速力は十分。しかもアシストは自然で違和感はない。パワートレーンのサウンドは全体的に低く抑えられており、市街地でも首都高速でも静かだ。路面の継ぎ目やちょっとした不整路面でも乗り心地は良く、けっこうどっしりとして重厚感もあるほど。
今回は、市街地と首都高速での短時間の試乗であり、ワインディングロードのようなシチュエーションはなかったが、ドライブモードをスポーツにするとエンジンとハンドリングのレスポンスがアップする。トップレベルのものが装備されたADASも試乗時間の関係でほとんど試せなかったが、高速クルージングは快適に過ごせそうだ。じっくりと乗ってみたい、そんな想いを抱かずにはいられなかった。
普通のセダンやハッチバックより目線はわずかに高いが気になるレベルではなく、乗り降りも自然。リアシートは、308ハッチバックより約19cm長いフットスペースというだけあって足下は広く、ロングルーフのおかげでクーペスタイルながらヘッドスペースも十分にある。おとな3人で乗車しても不満は出にくいだろう。
ラゲッジスペースもSUVの3008より広く、PHEVはリアシート使用時で471L/リアシートを全倒すれば1545L、エンジン車(以下、ICE)なら536/1611Lと、同クラスのワゴンに匹敵するほどだ。RVとしての使い勝手も十分に高そうだ。
▼▼▼森山未來氏が登場した新世代プジョー408発表会はこちら▼▼▼