スパイダー、スーパーレッジェーラなど多様化も進む
クーペバージョンの発表から2年後の2005年、アウトモビリランボルギーニはフランクフルトモーターショーでガヤルドスパイダーを発表した。
これはクーペの単なるオープントップ版にとどまらない、完全に一新されたモデルで、エンジンフードも関係する開閉機構を持つ、新しいソフトトップを備えていた。
ガヤルドスパイダーでは、エンジン、トランスミッション、性能に関しても重要な新機能が導入された。4961ccの10気筒エンジンは8000rpmで520psを発生。
6速ギアボックス(標準設定はマニュアル、オプションでロボタイズドのeギアを選択可能)のギア比は低くなり、よりダイナミックなハンドリングが実現できるようになった。
この新しいパワートレーンは、2006年式モデルからクーペバージョンでも導入された。
2007年、「ベビーランボ」の累計生産台数が5000台を超えた年に、ジュネーブでガヤルドスーパーレッジェーラを発表した。10psの出力アップと100kgの軽量化でさらにダイナミックになった新モデルは、わずか2.5kg/psというパワーウェイトレシオを実現した。
スーパーレッジェーラはロボタイズドギアボックスを標準装備し、それが以後のモデルにも引き継がれていくことになった。
軽量化を図るため、固定リアスポイラーなどにカーボンファイバーを多用した。リアスポイラーは、カーボンセラミックブレーキとともにスーパーレッジェーラに特徴的なオプションだった。
2008年のマイナーチェンジでデザイン刷新&パワーアップ
2008年3月のジュネーブモーターショーではガヤルドの改良版LP560-4を発表。20 kgの軽量化を果たし、直接燃料噴射システムを採用した最高出力560psの5.2L V10エンジンを搭載した。
同年、ガヤルドの生産台数は7100台に達した。11月に開催されたロサンゼルスモーターショーでは、同じ仕様でオープントップのLP 560-4スパイダーを発表した。
新しく採用されたエンジンには、予期されていなかった大きな技術的変更があった。マウリツィオ・レッジャーニは次のように語っている。
「(ガヤルドの)5.2Lエンジン搭載バージョン以後は、クランクシャフトの剛性を高めるため、クランクシャフトのジオメトリを変更し、スプリットピンを廃止して不等間隔燃焼にしました。直接燃料噴射技術の採用で、燃焼室内の効率が向上、出力アップと汚染物質の減少につながりました」
生産台数が9000台に達した2009年、アウトモビリランボルギーニはガヤルドLP 550-2 バレンティーノバルボーニを発表する。250台限定生産のこのモデルは、550psと後輪駆動という、同モデル初の技術を採用していた。
その後、多数の要望を受け、ガヤルドLP550-2には市販モデル(2010)とスパイダーバージョン(2011)も登場した。
その個性を生かすため、サンタアガタ・ボロネーゼのエンジニアたちはこれらのバージョンではRWDを採用して、スプリング、ショックアブゾーバ、スタビライザーバー、タイヤなどのドライビングダイナミクス関連部品を一新した。