「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ディーゼルを搭載したBMW X5だ。

DPFにアドブルーを組み合わせて規制をクリア

画像: 3Lの直6ディーゼルターボは8速ATと組み合わされ、排出ガス処理技術には尿素水溶液(アドブルー)も採用している。

3Lの直6ディーゼルターボは8速ATと組み合わされ、排出ガス処理技術には尿素水溶液(アドブルー)も採用している。

これを実現した源が「ブルーパフォーマンス テクノロジー」と呼ぶ技術だ。PM(粒子状物質)を除去するDPF(PMの処理装置)にアドブルー(尿素水溶液)を用いてNOx低減を図るSCRシステムを組み合わせ、欧州のユーロ6や、世界でもっとも厳しい日本のポスト新長期規制をクリアしている。

アドブルーのタンクは、メインがフロントバンパー裏に、リザーブが助手席下に配置されているが、これは前後重量配分へのこだわりと、エンジンや排気パイプが発する熱によって冷温下での凍結を防ぐこともできるという配慮によるもの。ちなみにラゲッジフロア下にはタンクはないので、オプションの3列7人乗り仕様も問題なく選べる。

今回は横浜みなとみらいを出発し、アクアラインを経由して木更津にわたり、近辺の一般道を走ってから出発地に戻るというルートを走ったのだが、とにかく高速巡航は快適そのもの。ちょっとしたワインディングロードを走れば、引き締められた足まわりにより、大柄で重たいクルマとは思えないほどよく曲がる。いかついルックスのダイナミック スポーツパッケージ装着車では、より切れ味鋭いハンドリングが楽しめる。

しかもクリーンディーゼルだから税金や補助金の面でも大きなメリットがある。車両価格は3Lガソリン車よりも41万円高いのだが、実質的には逆転すると思っていい。こうなると、X5でディーゼルを選ばない手はないのでは?と思わずにはいられなかった。

画像: ハイウエイクルーズは快適そのもの。燃費も良いから計算上では満タンで900km以上の走行が可能だ。

ハイウエイクルーズは快適そのもの。燃費も良いから計算上では満タンで900km以上の走行が可能だ。

BMW X5 Xドライブ35d 主要諸元

●全長×全幅×全高:4860×1935×1775mm
●ホイールベース:2935mm
●車両重量:2220kg
●エンジン:直6 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:180kW(245ps)/4000rpm
●最大トルク:540Nm(55.1kgm)/1750-3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・85L
●JC08モード燃費:11.0km/L
●タイヤサイズ:255/50R19
●当時の車両価格(税込):839万円

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