三菱自動車工業(以下、三菱)が2024年2月15日に販売を開始した新型トライトンは、1978年に発売されたピックアップトラック「フォルテ」をルーツとするモデルとして、世界約150ヵ国で販売されてきた世界戦略車です。この新型は「新世代のピックアップトラック」に相応しい快適性や高い走行性能を持ち、さらに「三菱らしさ」も満載のモデルとなっていました。

大きな車体とは裏腹に軽快なハンドリング、コーナーが楽しい

画像: 大柄なボディをものともせず、意のままに操ることができるコントロール性の高さが魅力。本格的なオフロード性能を持ちながら、オンロードでも快適でそして楽しく走ることができるピックアップ。なんて素敵だろうか。

大柄なボディをものともせず、意のままに操ることができるコントロール性の高さが魅力。本格的なオフロード性能を持ちながら、オンロードでも快適でそして楽しく走ることができるピックアップ。なんて素敵だろうか。

それでいてハンドリングは意外なほど軽快。ハンドルを切り込んだらスーッと曲がり、高い追従性で狙った通りにコーナーを駆け抜けることができます。ふと、この時、いま4WDで走っていることに気づきました。セレクターを確認したところ、4Hモード(フルタイム4WD)でした。

以前、パートタイム4WDのSUVに乗っていた筆者の場合は、構造は理解しているつもりでも、トライトンのように本格的な悪路走破性を持つモデルが、乾燥舗装路を4WDのままひらりひらりと舞うようにコーナーを駆け抜けたことにあらためて衝撃を覚えました。

これは三菱の独自技術として、1990年代前半のパジェロから採用している4WDシステムなので驚くことではないのですが、その進化版となる「スーパーセレクト4WD-II」のすごさをあらためて体感した場面でした。トルク感応式のセンターデフを備えたこの4Hモードでは、このように乾燥舗装路でも常に4WDで走行することが可能でなのです(前後のトルク配分は前40、後60が基本)。

さらにトライトンには左右の駆動トルクを分配する「アクティブヨーコントロール(AYC)」も搭載しています。コーナー内側にある前輪に弱くブレーキをかけることで旋回性を向上させ、後輪にブレーキ制御式のアクティブLSDも組み合わせることで、グリップ力を高めて、トライトンほどの大柄なボディであっても意のままに操れる走行性能を実現しているのです。

画像: 三菱の独自技術スーパーセレクト4WD-II。2WD(後輪駆動)の2H、フルタイム4WDの4H、直結4WDの4L、ローギヤ直結の4LLcを大型のダイヤルで選択できる。併せて7つのドライブモードも用意する。

三菱の独自技術スーパーセレクト4WD-II。2WD(後輪駆動)の2H、フルタイム4WDの4H、直結4WDの4L、ローギヤ直結の4LLcを大型のダイヤルで選択できる。併せて7つのドライブモードも用意する。

ちなみに2Hモードに変更して後輪駆動でも走ってみたのですが、4Hモードの安定感と操縦性能を両立したバランスが良すぎて、ワインディングロードは4Hで良いなと思ってしまいました。とはいえ、市街地などで軽めの操作感の方が動きやすい場面などでは2Hを使うと良いのでしょう。

こんな風に2Hと4Hでしっかりと違いを体感できるのも良いですよね。2Hは後輪駆動らしい素直なハンドリングで、4Hに切り替えるとハンドルも少し重くなり、前輪への駆動力がハンドルを握る両手からも伝わりますし、直線では安定感マシマシで、鉄の棒になったような安定感があります。トライトンがすごいのはそのままコーナーへ侵入しても曲がっていけることですが……。

そんな感動と驚きを味わいながら、さらに伝えたいのはその快適性です。室内に乗り込んだ時から静粛性は高いと感じていましたが、ディーゼルエンジンのガラガラ音などは当然無縁。車内はしっかりと遮音され、静粛性はかなり高いので、クルージングはかなり快適なことでしょう。今回は高速道路を乗ることはできませんでしたが、高速巡航も期待できます。

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