さまざまな意味で洗練されたフィールは、マニュアルとの相性も抜群
ところがどっこいw 久しぶりに乗った最新のマツダ2は、さすがに10年分の進化をしっかり思い知らせてくれました。「まったく別モノ」とは言いませんが、地道にじっくり熟成されてきた感がしっかり伝わってきます。
「デミオ時代」から、改良の中心となった要素のひとつは、ディーゼル搭載車の不満を解消するためのブラッシュアップです。
デビュー翌年、2015年12月には、エンジンのノック音を抑制することで運転環境を整える「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を設定。軽負荷領域でのアクセル操作に対してクルマがリニアに反応するように、緻密なエンジン制御を行う「DE精密過給制御」というロジックを新たに取り入れました。
ディーゼルエンジンのサウンドに関しては、2016年10月の改良で、ノック音の発生そのものを抑制する「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用し、心地よさの向上と不快感の抑制を実現しています。
結果として最新のマツダ2ディーゼルターボは、大幅に静粛性が高められました。アイドリング時はもとより回転が上がっていく時にも、室内に響くエンジンサウンドは雑味が少なく、高回転域まで回すことに躊躇はありません。
こうした朴訥とも思える改良は、AT車でももちろん快適性の向上につながることは確かです。が、それ以上に6速マニュアルトランスミッションとの相性がより良いものになっているはずです。実際、今回の試乗ではその乗りやすさが際立っていました。
もともとデミオに搭載されたしい世代トランスミッション「SKYACTIV-MT」もほかのSKYACTIV TECHNOLOGYと同様に、操作性、フィール、信頼性にこだわりぬいたシステムです。
ほどよく節度あるシフトタッチや剛性感に富んだ変速フィール、クラッチの踏み込み具合まで、コンパクトカーのマニュアルトランスミッションとしては理想的な仕上がりと言えるでしょう。
低回転域からの豊かなトルクはもとより伸びのよい熟成されたSKYACTIV-Dとの組み合わせは、ATではなかなか味わえないスポーティ感と、ATから乗り換えてもストレスを感じさせない優れたドライバビリティを見事に両立していたのでした。