初期型 マツダ デミオ XDを愛用している編集者が、最新のマツダ2 XD SPORT+ の6速MT車を試乗。実はもうすぐ誕生日を迎えるデミオ/マツダ2の10年分の進化と、今となっては貴重品なコンパクトカー×ディーゼルターボ×6速MTのちょっとマニアックな組み合わせの魅力を合わせて、「お買い換えはある?なし??」をリアルにオーナー目線で考えてみました。(写真:平野 陽)
乗り比べてこそわかる「操る楽しさ」のグレードアップ
初期型オーナーが最新のマツダ2に乗りかえると、わかりやすいエンジンのフィーリング向上だけでなくハンドリング面での質感向上を実感することができます。
デミオ/マツダ2の進化の歴史は同時に、マツダらしい「人車一体」感のグレードアップの歴史でもあります。たとえば2016年2月の改良の際、同時に新しく投入されたのが「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第一弾「G-VectoringControl(Gベクタリングコントロール:以下、GVC)」でした。
もともと、それ以前の小改良時に電動パワーステアリングの初期応答性が高められていましたが、GVCではさらにエンジンの駆動トルクを緻密に制御。横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールすることによって、4輪への接地荷重を最適化します。結果、操縦安定性を向上、運転に対する安心感を高めてくれます。
GVC以外にもこの時、電動パワーステアリングの特性はさらに見直され、前後ダンパーやブッシュなど足回り部品の特性も改良されています。またGVCに関してはのちに、2019年7月のマツダ2予約受注開始時の大幅改良で、高速走行時の車両の挙動をより安定させる「GVCプラス」へとステップアップしました。
こうした大小さまざまな見直しによって、最新のマツダ2の身のこなしは、きわめてスムーズで落ち着きを感じさせてくれるものに変わっていました。
なにしろGVCそのものが「縁の下の力持ち」的技術であり、ドライバーに違和感を覚えさせることのない自然なアシストこそが本懐。だからこそこればかりは、新旧を乗り比べなければおそらくは理解できない「伸びしろ」と言えるかもしれません。