2025年9月1日に発売したMotor Magazine11月号の特集は「ザ・スーパーカー」。ド直球すぎるタイトルだが、いま再び、スーパーカーに焦点を当てる。今回はその中からPart1 ランボルギーニ編に登場したテメラリオの試乗記を紹介する。(撮影:永元秀和/アウトモビリ・ランボルギーニ S.p.A)

サーキットでの加速体感が塗り替える常識

画像: メディア試乗会が行われたのはポルトガルにあるエストリル・サーキット。かつてF1ポルトガルGPも行われたこの場所でテメラリオをドライブ。コースは1周4.182 km、ストレートではゆうに300km/hを超える。

メディア試乗会が行われたのはポルトガルにあるエストリル・サーキット。かつてF1ポルトガルGPも行われたこの場所でテメラリオをドライブ。コースは1周4.182 km、ストレートではゆうに300km/hを超える。

サーキットで走り出すと、走りは想像以上だった。以前、日本の富士スピードウェイ本コースでのレヴエルト試乗経験があるが、体感加速はこちらが上に感じられた。

0→100km/hは2.7秒、0→200km/hは7.3秒未満。スペック上はレヴエルトにわずかに及ばないはずだが、回転上昇の鋭さ、音、微振動の相乗効果か、加速感は強烈。猛牛の名に違わぬ荒々しさで、視界の先のコーナーへ瞬時に吸い込まれていく。だが深くブレーキを踏み込んでも挙動は乱れず、狙った姿勢で減速。そこから中回転域を経て再び10000rpmまで針が駆け上がる。

システム総合920psの出力を持ちながら、安定して加減速できるのは、減速時にリアモーターの回生を強め、加速時にはフロントモーターを積極的に使う前後モーターの配分を極めて巧みに操っているからだ。ローンチコントロール使用時にはさらに「限界突破」10250rpmまで回るという演出も痺れる。直線が続くなら、公称343km/hの先までも行けてしまいそうな勢いを感じる。

驚くべきは、直線番長ではないこと。これは独自の制御技術LDVIや電動トルクベクタリングを用いた現代のランボルギーニならではだが、非常識な速度域でも各コーナーをいとも容易くクリアしていく自在さを持つ。ハンドルの初期応答はレヴエルトと明確に異なり、より軽快でリニアさが強い印象。ドライバーの腕次第でまだまだ詰められる余地を感じた。専用開発のブリヂストン製タイヤのグリップ、連続走行でもタレない安定感は5ラップ×3本のセッションを通じて一貫していた。

もちろん、これはサーキットでの話。多くのオーナーがこの性能を公道で使い切ることはない。では、なぜここまでパフォーマンスを追うのか。ルーヴェン氏の言葉を借りれば「『このクルマはこれだけのパフォーマンスを持っている』というオーナーの誇りのため」。常に出し切る必要はない。だが『ここぞ』という場面で、誰もが間違いなく満足できる性能を備える、そこにこそ価値がある。

This article is a sponsored article by
''.