セグメントのベンチマークとして世界中のクルマの指標であり続けてきたゴルフ。そしてCセグメントハッチバックにブランドのエッセンスを採り入れて唯一無二を創造してきた1シリーズ。そんな世界が目指すCセグメントハッチバックを今も提供し続けるドイツ発の2ブランドの中から、真逆のキャラクターを持つフォルクスワーゲン ゴルフGTIとBMW 120(1シリーズ)でお届けしよう。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:西川 淳、写真:永元秀和)

FFとなった1シリーズのひとつの完成系を実現した

プレミアムかスポーツか、価格帯はほぼ同じだったので、最初にどちらを試すか悩んだが、ここは動力性能のおとなしいモデルから乗った方がいいだろう。まずはBMW 120のキーを手に取った。

1シリーズとしては第4世代、FFになってからは2世代目となるこのF70だが、19年デビューの先代F40をベースとした、要するにUKL2プラットフォームを使った、かなり大掛かりなマイチェン版だとも言える。

乗り込んでみればインテリアの様相が大きく違った。最新のBMWトレンドとなり、見違えるほどモダンな印象だ。iドライブも7から9へとひと足飛びに進化。F40から乗り換えるユーザーにはまさにフルモデルチェンジ級だ。

目覚めこそ3気筒らしい音だったが、走り出せばすぐに気にならなくなる。そんなことよりも動き出した瞬間からわかる上質なライドフィールに面を食らってしまった。乗り心地がまずもって素晴らしい。精密一途に足を動かすこともできたのだろうが、適度に「もっさり」ともさせている。要するに手足によく馴染む。

画像: マイルドハイブリッド化された1.5L直3ターボエンジンを搭載。エンジン再始動時や低回転での車内振動が大幅に低減された。

マイルドハイブリッド化された1.5L直3ターボエンジンを搭載。エンジン再始動時や低回転での車内振動が大幅に低減された。

最近のBMWには何に乗っても足の動かし方に感心するが、このところBEVやPHEVといった重いモデルを「らしく」動かすことに苦心した知見が、コンベンショナルなパワートレーンのモデルにも活かされていると感じた。

前輪駆動も完全にモノにしたようだ。もはや駆動輪の位置など関係なく、ハンドリングにも実にビーエムらしいキャラクターが備わっていた。駆動輪であるにもかかわらず、ドライバーの思いどおりの場所にフロントタイヤを置くことができる。各タイヤを理想的に沈み込ませることで、心地よい姿勢で走っていることをドライバーに伝えてくれるから、どんなコーナーでもアッパレなハンドリングである。これまで後輪駆動系モデルの特権とばかり思っていたステアフィールをFFでもほぼ可能にした。その動きに後輪もよく追従し、尻軽な印象もまるでない。

加えて強烈ではないけれど実用的に十分で堅実+αの加速性能が嬉しい。エンジンサウンドも回転が上がると耳にも心地よかった。

画像: 4世代目となる新型1シリーズの車両コードはF70。X1や2シリーズアクティブツアラーのようにUコードを名乗らないのは、こちらは先代1シリーズ(F40)のプラットフォーム「UKL2」を継承するため。だがデザインからパワートレーン、インフォテインメントに至るまでほぼすべてが刷新されており、その乗り味もまたまったく新しい価値を提供するニューモデル。

4世代目となる新型1シリーズの車両コードはF70。X1や2シリーズアクティブツアラーのようにUコードを名乗らないのは、こちらは先代1シリーズ(F40)のプラットフォーム「UKL2」を継承するため。だがデザインからパワートレーン、インフォテインメントに至るまでほぼすべてが刷新されており、その乗り味もまたまったく新しい価値を提供するニューモデル。

1シリーズのハンドリングと乗り心地を背の高いSUVで完全に再現するのは不可能だろう。いくら車体を同じように動かすことができるようになったとしても、ドライバーの物理的な位置が決定的に違うため、背の低いモデルで味わったものと同じ快感を再現することは無理だ。プラットフォームをキャリオーバーしたことで、より熟成された。内燃機関メインのFF1シリーズとして、ひとつの完成形を実現したと言っていい。

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