1シリーズ登場前夜に見た大量の白いゴルフたちとは
一方のゴルフも改良なったばかり、しかもホットハッチの代名詞GTIが用意されていた。ゴルフの偉大さは冒頭に記したとおりだが、BMWにも関連してゴルフの凄さを物語る興味深いエピソードを先に紹介しておこう。
初代1シリーズデビュー前夜のこと。フランスのミラマスにあるプルービンググラウンドを訪れた際、白いゴルフが大量に置かれていた。ここはフォルクスワーゲンのテストコースか、と思うくらいにあった。聞けばスタッフ総出でゴルフ漬けになっているという。要するにCセグメントハッチバックに新規参入するにあたり、彼らは世界のスタンダードの実力を身体に染み込ませようとしたのだ。
もっともすぐには彼らも参入しなかった。新しいブランド(MINI)にFFを任せ、自分たちは得意なFRでCセグメントに新規参入した。それゆえFRの初代E81と2代目F20は、今となってはとびきりの個性的な運動神経を有するハッチバックモデルで、結果的に(と言うか狙いどおりに)プレミアムCという新たなセグメントの開発に成功したのだった。ちなみに1シリーズの販売台数はゴルフの8分の1〜6分の1程度だと思われる。

最新型(通称:8.5)のGTIはフロントライトの形状が変更されたことにより精悍な印象を増したため、これまで以上にスポーティな雰囲気が強くなった。やはりGTIはゴルフにとって特別な存在なのだ。
閑話休題。ゴルフGTIだ。そう聞いて心躍る世代は若くてもアラフィフか。ことにゴルフ2でガイシャ好き人生を始めたカンレキの私にはGT-Rと同じくらいに刺激的な英三文字でもあった。
ゴルフ8のデビューはF40の1シリーズと同じく2019年のこと。改良を受けいわゆるゴルフ8.5へと進化したわけだが、そういう意味ではビッグマイチェンとも言える1シリーズとその歩みはほぼ同じであると言えそうだ。

最新のゴルフで最大の進化ポイントはインフォテインメントシステムのアップデート。12.9インチの大型センターディスプレイには最新OS「MIB4」が搭載され、操作性と処理性能が飛躍的に向上した。
チェックのシートにクルマ好き脳がまずやられた。同じ柄のスカーフかベストが欲しいくらいに刺さる。クラシックなタータンチェックをシート地に使ってかくもシャレて見えるのはゴルフGTIとポルシェ911ぐらい。それだけ伝統と格式に満ちたスポーツモデルであるとも言えるし、そんな雰囲気を味わえることがまずもってGTIの魅力であり、SUVには望みようもない美点だろう。
